第20話 神
マハトマ・ラッカ・レーラインは神からの預言を始めた。
「7thよ、あなた様は何処にいるのでしょうか? 天界はあなたの住処でしょうか?」
神は応える。
「私は最高天羅説、概念の頂点にいる。それはイデアの海の最も深い場所であり、天空の先、夢のような場所でもある。最高天には私一人だよ。いつになれば二人目の神が現れるのやら。ラッカよ、そなたが為すのだ」
ラッカは聞き返す。
「私が第二の神になれということですか?」
神は応える。
「左様。汝になら可能であろう。否、汝に不可能ならば私は他に可能性を見ない。もし汝が神に至れたら私は世界で一番麗しい乙女となり汝を迎えようではないか」
ラッカは困ったように笑うと続けた。
「神には性別があるのですか? それに私が神と並ぶなど……。恐れ多いです。では、どうやって神に至れと言うのですか?」
神は告げた。
「人間には凡そ不可能であろうな。だが、仏に至った汝ならば、神を知る汝ならば、可能性はあると私は考える。汝はもう輪廻の輪より去ることは決まっていることなのだ。後は天界よりも遥か高くその智慧の翼で飛ぶのだ。太陽に焼かれようと、熾天使の如く私への愛で為すのだ。私は汝を愛している」
ラッカは感嘆の声を上げ応える。
「おお、神よ、私を愛してくれると言うのですか。この身においてこれ以上の幸はない。ありがとう! 愛しています!」
ラッカは最後に聞いた。
「具体的にはどのように神になるというのですか?」
神は応えた。
「それは私にもわからない。神たる私が何故生まれたのかわからないのと同様だ。第二なる存在者が、第二の神が生まれる日が来るのかはわからない。だが、諦めたくはないんだ。いつかできると信じている。信じる力、ソフィアこそ人間の最も尊ぶべき力であろう? それは神も同じだと思うのだよ」
ラッカは決意を新たにする。
「神よ! 私が必ず第二の存在者になります! ですので、どうか最高天にてお待ち下さい」
神は告げる。
「期待しているぞ。我が子よ」
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