第4話 プレリュード(その1)
イートンとしての参加が正式に決まり音楽室を出た。
「とりあえずこの校舎が大会の
明るく声を掛けるボレロだが充駆は――
「その前に……」
「なんすか」
「戻っていい?」
――そう言うと、いつのまにか重く固まっている肩をほぐそうと、両腕と首をぐるぐる回しながらボレロの許しを請う。
ひどい肩こりの原因は考えるまでもない。
非現実的な出来事に流された挙句がこの音楽室であり、そのうえ、もともとコミュ障気味で初対面の相手に囲まれること自体があまり好きではないのだ。たとえ、それが画面越しの音声のみであったとしても。
その緊張から解放されたついでに不慣れなイートンの身体も脱ぎ捨てたいと思うのは無理からぬことだった。
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