自分だけではない
私はツイッター(旧エックス)にて時々、同じような状況の人がいないかと検索する時がある。
人が多い中で足を挫いた経験がある人とか、再配達がなかなか来ない人とか、騒音問題に悩まされている人とか。
自分が悩んでいる状況を検索し、同じような苦しみを味わっている人がいると「この世で私だけではない」と思うと少し救われるのだ。
もちろん、愛猫が癌になってからも同じように検索している。
そんな中、あるアカウントを発見した。十一月に作られた新規のアカウント。フォローもフォロワーも少ない。ツイート数も少ない。
ツイート内容は全て、愛猫に関するものだ。
きっと、十一月に癌が発覚し、居ても立ってもいられなくなりアカウントを作ったのだろう。
その気持ち、痛いほどわかる。
私もこの感情をどう整理して良いか分からず、だからと言ってツイッター(旧エックス)で新規アカウントを作るのも面倒くさいのでここに文章を投稿している。
思っていることを書くだけで幾分か楽になる。
文章自体が上手いわけではないので全てを表現できないし、溜まった膿を全てうまく吐き出すことはできない。
けれど、それでも救われるのだ。
彼女の少ないツイートを見ながら、載せられた愛猫の写真を見て、不謹慎だが同じような状況の人がいて、どこかほっとしている自分がいる。
彼女の愛猫も扁平上皮癌になり、その上、食道チューブという選択をとっている。
重なる面が多く「ドッペルゲンガーか?」と思うほどだが、愛猫の柄が違う。残念。
彼女も苦しんでいる、とても。
それは、同じ気持ちを現在進行形で経験している自分が一番よく分かっている。
愛猫が苦しんでいる様子を目の当たりにして、同じ苦しみを分かち合えない辛さを、知っている。
彼女がどこの誰かわからない。何県に住んでいて、何歳で、どのように生きてきたのか。何も知らない。
けれどこの世で彼女が一番、私に近い存在だと思う。
勝手に親近感湧いて、ごめんなさい。
でも、あなたの愛猫が良い最期を迎えることができるよう、心から願っています。
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