介護

 私は子猫の頃からクロを育てている。

 そのころはアルバイトをしていたため、昼休憩は音速で帰宅し、ミルクを作って彼らに与えていた。

 うんちもしなければいけないため、お尻を拭いて排泄を促したりもしていた。


 今、似たような感じでクロを介護している。

 食事を与え、オムツを変え、鼻水と涎を拭く。

 昼休憩時は爆速で帰宅し、薬とご飯を与える。それが終わるとオムツを変え、お尻を拭いてあげる。

 帰宅してからも同じことを行う。朝起きてからも同じことをetc……。


 朝の四時に起きて、深夜の十二時にも起きる。お薬の時間だから、しょうがない。与えるのが飼い主の役目である。


 だから、苦ではない。疲れもない。

 彼を愛しているから。

 

 口元のよだれを拭いてあげる時、あのゴロゴロという音を聞くだけで全てが吹っ飛ぶ。


 時折、子猫だった彼を思い出す。

 まだよちよち歩きで右も左も分からなかった、彼を。

 今、同じように彼のお尻を拭いてあげている。

 なんという幸福だろうか。


 神様は素晴らしい生き物を私に授けて下さった。

 ありがとう神様。

 彼は老いも若きも、可愛いよ。

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