謎夢少女、伏ノ事件。(第五話)
[第二章]
私はその管理人らしき男性にとあることを聞いてみた。
「あの家で起きた事件のこと、何か知りませんか?」
そうすると男性は眉間に皺を寄せた。
「、、、、実は私もあの事件のことが気になっていてねえ、。
私がここの管理人になったのは今から10年程前なんじゃ。私の前に管理人をずっと勤めていた人が歳の影響で介護が必要になってしまってな。私も年金だけじゃ生活が厳しくてな。その後継になることにしたんじゃ。」
その男性は私の顔を見つめた。
「だがな、この仕事を務める時に、前の管理人から"あの古民家には絶対に立ち入るな。"と口酸っぱく言われたんじゃ。なぜ立ち入ってはいけないのかと何度も何度も聞いたのだが、全く答えてくれなくてな。それで今に至るんじゃ。」
もしかすると、この事件は50年前を境に"タブー扱い"されているのではないかと考えた。
「前の管理人はどこにいらっしゃるんですか?」
私がそう尋ねると
「実はもう亡くなっててな。もう知る術がないんじゃ。」
私は少しため息をついた。
「あんた、名前はなんというんじゃ?」
そう聞かれた私は
「茜(あかね)です。」
そう言うと
「わかった、また何かわかったらここにきて教えてもらえるかね?私もこの事件のことを少し調べてみることにするよ。」
私は了解し、男性にお礼を告げ、フェンスから立ち去った。
次の日、私は職員室に行き、この学校に長くいる先生にこのことを聞いてみることにした。
「先生、少しお聞きしたいことがあるんですけど、、」
「珍しいじゃないか、茜さん。こんな改まって。」
少しムカついたが仕方がない。
私は先生に質問するような真面目な生徒では全くなかった。
むしろ手を焼くような生徒の1人だ。
授業中は基本寝て、文句を言われたら言い返す。
そんな誰から見てもめんどくさい生徒だった。
だから先生が珍しいと思うのもわからなくはない。
私は最初にして最後の質問をした。
「先生、今から50年程前に古民家で監禁されたって言う事件のこと、知ってます?今はその近くにフェンスが立って入れないんですけど。」
先生の表情が一変した。
「茜さん、なぜそのことを知っているんですか、?誰から聞いたんですかそのようなことを!!」
私に強い口調でそう聞いてきた。
明らかな焦りを先生から感じた。
「何か知っているんですか、?先生。」
先生は大きいため息をついて椅子に座った。
「いいですか?茜さん。あの事件のことはもう忘れてください。これは絶対です。」
そうして私を職員室から追い出した。
なぜその事件を耳にした時、あんなにも焦ったのか。
多分他の人に聞いても埒が開かない。
そう思った私は自分で探ってみることにした。
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