第2話
「で、ここが共用キッチンです。各自部屋番号の棚があるからそこに調味料とか諸々置いたりしてね。冷蔵庫は大型のが一つになっちゃうけど、ここにあるコーヒーメーカーとかは好きに使って大丈夫だよ」
広々としたキッチンを前に、料理が好きな
忙しなくあたりを見回す洋に、案内人の
「洋ちゃんは料理好きなの?」
「得意ではないんですけど、そうですね、なるべくお家で作りたいなって思います」
ふたりで話しながらキッチンを出る。
洋が今日から引っ越してきた場所は、いわゆるシェアハウスだ。
共用部分のキッチンやラウンジは一緒に住む人たちと使いつつ、個別に部屋も用意されている。
洋が越してきたグリーンハウスは去年できたばかりで新しく、男女兼用、外国人可の国際交流に積極的なシェアハウスで、シアタールームやカフェがあり、庭付きなのでバーベキューなどもできる。
洋の隣を歩く守は家具メーカーに勤める社会人で、このシェアハウスのリーダーを務めているらしい。
「洋ちゃんは大学2年生だっけ」
「はい。去年まではキャンパスが違くて、ずっと実家から通ってたんですけど、キャンパス移ってみたらさすがに通うのがきつくて」
洋が通う大学はそれなりに規模が大きく、洋の所属する文学部は、立地的に不人気なキャンパスに属していた。
昨年度をもって不人気なキャンパスが立て壊されることになり、そこに配置されていた学部は、新設されたキャンパスともともとあったキャンパスに移動することになったのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます