第11話◇接待◇
木村が説明した。瑠璃子は三上さんをレジ横のカウンターに導いた。その間木村は、気を利かせて駐車場の車の中で待っていた。三上さんは、「オイルが入ったら知らせてね。」と、言うと買い物を済ませて店を後にした。二十分ほど車で待っていた木村が入ってきた。
「すみませんでしたね。お待たせして。」
瑠璃子が頭を下げると木村が言った。
「こちらこそ。勝手に待たせて頂いて申し訳ありませんでした。実はお伝えしたい事があったものですから。」
「何かしら?」
「私、東京から来るので滅多に来られないのですよ。ですから営業でこちらに来た時は、中村さんとお食事をご一緒させて頂いているのですよ。」
「そうですか。」
「お店では今のようにお客様が来られると、ゆっくりお話しできないものですから。」
「そうですね。」
「急で大変申し訳ございませんが、今夜ご都合はいかがでしょうか?」
突然の事に瑠璃子は戸惑ったが、佳乃子も一緒というので、聞きたい事も沢山あり了承した。
「良かったです。いつも中村さんのお店の隣のおしゃれな日本料理店で食事をするのです。よろしいですか?」
「良いですよ。私はどこでも。ティートゥリーは、今治では飲食店が集まっている場所ですからね。」
「お店は何時迄ですか?」
「七時迄です。」
「それでは七時にお迎えに参ります。」
「良いですよ。私、車で行きますから。」
「沢田さんは、お酒を召し上がらないのですか?」
「還暦が近くなってから、前ほど飲めなくなって。飲まなくても平気です。」
「中村さんといつもご一緒させて頂くお店は、日本酒の種類が多くて、お料理にとても合うので、是非召し上がって下さい。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます