第6話 妖精ベルと悪魔のガーゴイル

機械的な音がアリュースのポケットから聞こえた気がしたけど?

アリュースが「行くぞ。アリア。」

「どこに行くの?」

ザックも「まあ、黙ってついておいで。」

2人はフォマージュと書かれた店の前で止まった。

「チーズ屋さん?」

「その通り。我々のここでの家業はチーズ屋だ。」

中に入った。

店番の小さな可愛い女の子がいた。

「店番ありがとう。ベル。」

「どういたしまして。ご主人様。」

とても可愛い女の子だ。

アリュールスもザックも女の子の頭を撫でた。

見ているうちに私の頬はぶーっとふくれた。

可愛くない顔だ。

お城でも学校でも、嫌になるくらい、

みんな一番に私をかまったのに。

私が嫉妬?私は首を横に振った。

「違う。違う。」

アリュースが「どうしたアリア?」

「なんでもないわ。」

無神経なザックが「なんだアリア、ベルに焼きもちか?」

「違うわ。」

「アリアも頭、撫でて欲しいのか?

そうーだな。アリアもまだ14才だからな。

お子様だもんな。」

「そんなじゃないわ。」

アリュースが「ザック兄さん。

アリアをからかうのは良くないよ。

アリアが困ってるじゃないか。」

「そうだな。悪かった。」

こんな時、アリュースのほうが断然大人に見える。「ザックのバカ!」

アリュースが「アリア紹介するね。

彼女はベル。妖精だ。」

「妖精?」

私は背を少し低くして

「妖精のベルちゃん、ヨロシクね。

私は・・」と言いかけたところで、

「何それ?子供扱いしないでくれる?

私の方が全然、お姉さんよ。

それにアリアさっきから何?

ザック悪魔のガーゴイル兄弟が

私にかまうからってふくれた顔して、

ほんとお子様ね。

だから、アルタ王国の人間界に行かしちゃだめになるっていったのに。

所詮、人間界の女王様。甘い。甘すぎる。

これでアリアは将来、本当に悪魔のガーゴイル帝国の女王様になれるの?

私、教育係降りようかしら。

先代のガーゴイルの王。アリアの本当の父が甘やかすから、こんな変ちょこの女子に育ってしまったのね。」

ベルは何か大事なことを言った気がした。

でも聞き返すところが多すぎて。

が、変ちょこ女子と言われたことは腹が立つ。

「何よ。小さくて可愛いからって、口が悪いわよベル。おバカな妖精さん。」

ベルが「アリュース、このアリアは、おバカなの?話も聞かず。ホントこの子、悪魔のガーゴイル帝国のお姫様なの?」

私はまたベルの私をきかずに、バカ呼ばわりされて怒ろうとした瞬間。

ベルが「私は妖精。私は軽く2000年は生きてるは。妖精の寿命はあなた達、悪魔のガーゴイルより長いのよ。

そこの2人の悪魔のガーゴイル兄弟も赤ん坊の時から知ってるわ。

それにあ・な・た、アリアのことも赤ん坊の時から知ってる。」

頭の中が混乱した。単なる生意気な幼い妖精さんだとおもって嫉妬もしたけど。

何よ。今の話は?

「それってどういうこと?」

妖精ベルが話そうとすると。

アリュースが「僕が話そう。まずはアリア、

君は僕らと同じ悪魔のガーゴイル。

君は僕ら悪魔のガーゴイル帝国のお姫様だ。

僕らは家臣ってとこだ。

妖精ベルはアリアの父。悪魔のガーゴイル帝国の王様でベルとは友人関係だ。」

「妖精と悪魔が友人?」

今度はザックが「大昔は妖精と悪魔は同じ種属だった。どちらも羽根はある。魔法も使える。妖精側は可愛いさを追求して今のベルの形に。悪魔ガーゴイルは強さを求めて今の形に。

元は一緒さ。それにちょっと意地悪さ。」

「突然で、混乱している。

妖精と悪魔ガーゴイルが同じ種属だったってことは、なんとなくわかる。

ベルが私よりたくさん年を取ってることも理解したわ。」

ベルが「アリア、今の言い方じゃ、まるで私が

おばあちゃんみたいじゃないの!」

「実際そうでしょう。」

「ほんとアリアは生意気ね。でもいいわ。

先に本題よ。作戦変更。あなた達が時空を越えてこの400年前に来る前にアリアを魔法で眠らせた黒いマントの男が未来に時空移動したの。2030年よ。

アリス、悪魔のガーゴイルの姫ならその男を捕まえてきなさい。命令よ。」

「えっ?」次の瞬間、私はヒカリの中に吸いこまれた。

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