ひとつあかり

街灯がひとつ、立っている

 ああ、誰か私の話を聞かないものか

夜にはひとつ、明りが灯る

 ああ、誰か私の元に来ないだろうか

空にはひとつ、星がひかる

 ああ、あそこにも私のように誰か立っているのか

ふたつみっつ、無数の星明り

 ああ、あの明かりたちも私のようにひとりなのか

夜が明ける、日の光に目を閉ざす

 ああ、きっと今日も誰も来ない、言葉もない

日の光はひとつ、遠くを見つめる

 ああ、私の光に照らされて、誰も彼もが消えていく

日の光はひとつ、足元の街灯を見る

 ああ、どうか誰でもいいから、私を見てはくれないか

日の光は今日も、ひとり世界を照らす

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る