葉先の露の

草の先に溜まった露が

降りようか、降りまいか

迷っている



 なあ露よ、なにを迷っている


  あなたの元から離れるのが恐ろしいのです

  ここから飛び降りれば私は露ではなくなる

  それは死ではないですか


 なあ露よ、これまで幾万もの露が私から離れた

 陽の光に焦らされながら、最後まで残っていた者もいる

 それら幾億もの露たちは

 地を這い、天に昇り、また私の元に来る

 死にはしないさ露どもよ

 ここで落ちるか留まるか

 いずれにせよ、これまで幾兆もの露達も

 私は覚えているだろう


  あなたがそう仰るならば

  恐るるものなど何もなし

  然らばいま一度ここから飛び降り

  またあなたの元へ参りましょう


 露よ、露よ、忘れはしまい

 幾京もの星よりも

 お前たちは輝いている



そしていま、たった一つの露が

葉の先を離れ

静かにその葉を震わせた

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