フツーのエルフさん
プリオケ爺
第1話 転生ーキャラクタークリエーション
「50年の人生お疲れ様でした。生前に積み上げた徳により、あなたには異世界転生がプレゼントされます」
目の前の天使様がのたまう。
・・・ちゃんと、あたしらが妄想する白人の天使だ。
なんか車輪や目のお化けじゃなくて、めたくそ白くて美しい少年。
キリ〇ト教でよかった!!!!!!!!!!!!!!
あたしと同じ人種の七三に分けた頭に銀フレームの眼鏡で「どーも」っつーポリコレ風天使だったらマジで違約金請求してるとこだったよ。
「というワケで、あなたには新世界へ向かうためのキャラクターを作って頂きます」
「え?貴族とかに転生すんじゃないの?」
「いえ、なんか最近は転生を生命や人格の乗っ取りだと揶揄中傷する闇の勢力からのプレッシャーで転生者が病んでしまう謎の奇病が蔓延してて上手くないんですよソレ」
なんかめたくそウザったそうな顔で落ち込んでいる。
「えー・・・どうだっていいじゃんねえそんなの」
ほんと虚構に細かいこと注文すんなと言いたい。
「でもあなたの子供や孫に他人が ”どーもw” って転生してきたら嫌でしょう?」
「ああ!!!下劣極まるとんでもねー邪悪だなマジ最低じゃん死んだらもうそのまま消えろっつーのナニ他人の人生乗っ取って略奪人生謳歌してんのよ親のめんたまに辛ラーメンの粉スープ塗り込」
「というワケでクリエイトしたキャラクターを地上へ降ろすという形になったワケなので、このインターフェースで作成してくださいね」
あたしに皆迄言わせず天使は中空にゲームみたいな映像を出現させた。
「えー・・・貴族に転生させてよ、あたし悪役令嬢とかやりたい!」
「え、いやだってさっきあれだけ転生者をクサしたじゃないですか」
ため息が出る。
「だからそれは自分の身内だったら、て話でしょ?他人の命なら全然どーでもいいからさっさと転生させて。公爵令嬢でいい()から」
なんか天使がガックリとうなだれ、床に座した。
「うそ・・・ええ、いや!確かに善行と徳は今世紀最高の人間となってるし人選ミスなど・・・」
ああ、しまった。
神様系の人()達っぽいからって本心で喋ってしまった・・・反省!
あたしは床に手を付いて滝汗で憔悴している天使の肩を抱き、やさしく話しかけた。
「あの、ごめんなさい。あたし転生とか馴れてないから・・・その、キャラクタークリエイトだっけ?一緒に作りましょ?ね??」
「はい・・・はい!来世でも善行を積んでくれますよね?!」
「うん、めっちゃ積む!大丈夫、あたしとあたしを選んだ神様を信じて?」
「ですよね、神様が間違うはずがありませんもん」
「そうそう。計算機は絶対に間違わない。間違う時は、宇宙が終わるときだけよ」
「宇宙が終わる・・・」
「情報を雑に切り取って勝手に不安にならないで。神様とあなた達がいる限り、宇宙は永遠よ。じゃ、はじめましょ」
あたしはてんし()の手を取り立たせると、一緒にキャラクターを作り始めた。
・
・
・
「・・・その、唇が厚すぎじゃないです?それに広すぎ・・・」
「ああ、顔て小さい方がイイんだけど、デッサン的には大きくないと体が華奢な感じに見えないのよ。だから目鼻口なんかのパーツは大きく、体を小さくまとめるのね」
「そうなんですか?でも・・・鼻も丸くて、その・・・輪郭も」
「あー、はいはい、つまり天使様的にはこういう顔がいい、てゆーんでしょ?」
あたしはパパッとうりざね顔にクッキリ眼窩二重と筋の通った鼻小さい唇のテンプレ美女に整形する。
「はい!これは美しいです!これで行きましょうよ」
「このカオはアレンジが効かないのよ。気分やシチュエーション、目的によって応用が・・・うーん、平たく言うとお化粧が楽しくないの」
それに、と続ける。
「すっぴんでも男にめたくそちょっかい掛けられるでしょ。もう嫌なのよそういうの」
マジで女を使いこなせる才能あるヤツが羨ましい。
つーか男に生まれ変わりたい。
いや、男なんて使い倒してナンボだろ・・・憧れと現実を取り違えちゃダメ。
「ええ・・・でも地上の女性からはいつも美しさを求める請願が届いているのですが」
「そりゃ美しさなんていくらでも希うけどさ、現実はまた違うのよ~~~別にわからなくてもいいケド」
祈って現れた天使が「その美しさはあなたに絶望しかもたらさない・・・」なんつって消えたら只の煽りだろ。。。信仰心なんて一撃で消し飛ぶわ。
「うーん、そういうもんなんですか・・・あ、消さないで!ちょっと保存します」
天使はさっきのテンプレ美女顔をくるくると動かし作成ボタン的な何かを作動させると、絶世の美女といった塩梅()の女がぬらりと宙空から生み出され消えて行った。
「この女性は使徒として有効活用します」
めたくそ満足した顔で天使様がのたまった。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
新作発進!
いちお少女(仮)の愛が世界を救った系の話になればいいなぁとおもいましたまる
フツーのエルフさん プリオケ爺 @hanagehanage
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。フツーのエルフさんの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます