神亡き世界でキミは何を思うのか。
玉雫
第一章 私の思い
第一幕 私が貴女に出会うまで。
第1話 あなたは何を思い観ているのか。
私は捨て子だった。
親の顔は知らない。
生きているのかもわからない。
ただこれだけは言える。
そんなこと考えても何にもならないしどうでもいいのだ。
「…ここ置いとくよ」
曇天の下、蜘蛛のいない大きな糸くずが張り付いた屋根の無い家とは言えない何か、これが私たちの家だ。
私の同居人であり育ての親、毎日いもしない神に祈り続ける耄碌した爺さんの足元に切り分けた汚らしい人の赤子ほどの大きさをした鼠を置いておく。これが私のような力ある者の食事だ。
この世界には稀に謎の力をもった捨て子が現れる。私もその中の一人だ。
ただ、皆持っている力なんてものは小さなもので、私の力も触れている影を立体化させるものと自分の影の中に物を入れられるだ。しかし立体化した影も別に動くわけでもなくただ突っ立ているだけの
嗚呼あと、何故か力ある者は容姿がいい。現に数日前まで一緒にいた少年も顔だけはよかった。まあ傲慢がすぎたせいで死んだが。
かくいう私も金髪
まあこんな容姿なんていくらあっても何にもならないが。どうせだったらこんな見た目なんかより力が欲しかった。
人々は力ある者を神の子と呼ぶが馬鹿馬鹿しい。神がいるのならばこんな小さな力など与えずに救ってくれるだろうというのに。
力ある者についてはこんなところだ。
はは、私は誰に向けて話しているのだろうか?
まあこんな話を聞きたいというか変神が存在するのだったらまあ、楽しんでくれ。
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