協力の提案
俺とジョーンのペア、そして踊り子のケイト、演奏者のイザベルのペアが模擬戦を行い、模擬戦を俺達が勝利し、村長は改めて魔物討伐を俺達に任す事、そしてケイト達も身を引く意思を示すが、ここで俺はまずケイトに呼びかける。
「な、なあちょっと待ってくれ、確かにこの模擬戦はお互いの実力を知る為のものだけど、勝った方に魔物の討伐の権利を与えるなんて誰も一言も言ってないだろう?」
「確かにそうだけど、でも結局は同じ事でしょう、負けた方に任せるのはこの村の人には不安にさせるだけでしょう」
「あながちそうとも言えないんじゃないか、君達と俺達の模擬戦はかなりギリギリのものだった、だからこうしよう」
ここで俺はある提案をしてみる。
「俺達と君達で協力しながら魔物討伐というのはどうだ、今回の魔物は夜行性である事以外、特性が不明だし、少しでも手数があればと思ってなんだが」
「……待って、最初からそう考えていたなら何でそう言わなかったの?」
「すまない、やっぱり俺達も報酬の取り分が減るかもと思うとちょっと気になってな、それにこいつが君達を煽るような事を言って退くに退けない感じになってな」
「お、俺のせいかよ!」
まあ弟子の不始末は師匠の不始末でもあるし、俺も責任を感じたからこそ、模擬戦は受ける事にしたんだ。
「それに君達も俺達を侮っていたように感じたし、この提案をするにはやっぱり俺達も実力を見せるしかないと思ってな」
「別に侮ってはいないわよ、追放されたとはいえ、あなたはS級パーティーに所属していたほどの冒険者だったし、ただ可愛いシーナちゃんを巻き込むのと、そこの大男に不安があっただけよ」
「か、可愛い……」
「俺は不安材料に感じていたのか」
シーナとジョーンが理由は違うが彼女達にとっての不安材料だったのか、だけどあの表情は認識も改めたっぽいな。
「直接俺達と接し、実力は分かったはずだ、それにシーナは俺達の討伐にもついてこれて、ジョーンと同じ稽古メニューをこなしているんだぞ」
「そう、だけどあなた報酬の問題はどうするの?そこの不安は解消されたの?」
「ああ、それならよく考えたら前金はもらっているし、退治した証さえあれば成功報酬ももらえるしな、それに君達は慰問と討伐を含めた報酬をもらっているんだったら、お互い問題ないはずだ」
「確かにそうね、ふう、いいわ、あなた達と協力して魔物討伐をする提案、受けるわ」
ケイトは俺の案に承諾してくれた、よし、あとは魔物を討伐するだけだ。
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