身体を止めろ!
イザベルがチャクラムと遠隔スキルの併せ技でジョーンを釘づけにしている中、ついにケイトが俺に対して一騎打ちを挑んできた。
木剣で攻撃するも、全ての攻撃はケイトにかわされてしまう。確かに動きこそ速いが、決して俺が捉えられない速さではない。何かスキルを使用しているのか?
「あなたもあの男も一撃の威力は私達より強力そうだけど、それを封じられてしまえばさすがに勝ち目はないでしょう」
「……、確かにな、だがそれは裏を返せば俺とジョーンがこの状況を切り抜ければ一瞬で俺達の勝ちという事になるぞ」
「ふふふ、そうね、でも実際あの男はイザベルに翻弄されているし、あなただって私を捉えきれていないじゃない」
そうだケイトの言うようにいまだ俺達にはこの2人を突破できるきっかけすらつかめていない。もし俺達のうちどっちかが戦闘が続行できなくなればこの模擬戦は負けだ。
「ああ、師匠、ジョーンさん……」
「何だ、何だだらしねえな、この村を出たザックはあんな奴らに依頼したのか、見る目ねえよな」
「ううう……師匠!ジョーンさん!お2人のお力はそんなものじゃないはずです!なんていうかお2人らしくないですよ!」
2人らしくないか、そりゃそうだ、ジョーンは自慢の槍術や怪力を封じられているし、俺はというとやっぱり剣技以外とりえがない事を痛感させられた。それを封じられればポンコツ同然だからな。ん?待てよ、シーナが見た俺らしさってソードザブレイキングで魔物を一瞬で倒した事か?いや、あの技が人間相手にはいくら木剣でも禁じ手なのは分かっているはずだ、そうすると……これか!
「ジョーン!」
「何だ⁉」
「ジョーン、このままじゃあらちが明かない、もう思い切った戦い方でいいだろう!」
「おいおい、投げやりなアドバイスだな、じゃあもう好きにやらせてもらうぞ」
ジョーン、吹っ切れたか、まあ俺がごちゃごちゃ言うより、槍での戦い方はあいつが熟知しているし任せるか。
「おい!ねえちゃん、そのチャクラムで死んだりすることはねえよな?」
「刃はついてませんし、一応木製ですのでね」
「それを聞いて安心したぜ、うおおおおお!」
「正気ですか?死なないとはいえ、受ければもだえるというのに!」
無謀に突っ込んできたように感じたイザベルはチャクラムをジョーンに投げつけるが、ジョーンは槍では受けずに左腕で受け、チャクラムはその場に落ちる!
「うそ!強化スキルも施したというのに」
「いてて!左手は動かしにくいが右手だけで十分だぜ!」
どうやら生き物に命中すると遠隔スキルは無効化する為、再発動が必要なようだな、だけどその暇はなくジョーンに槍を突き付けられイザベルはその場から動けなくなったか。
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