模擬戦開始
ジョーンがケイトとイザベルという踊り子と演奏者の実力を疑う発言をした為、彼女達は模擬戦を提案し、俺達はそれに応ずる事にした。
2対2にするという事なので、俺とジョーンが出て、対戦をする事になった。
「師匠、この模擬戦、俺は槍を使わせてもらうぜ」
「そうだな、使い慣れた武器の方がいいだろう、一応この間から稽古用に使っていた木の槍にしてくれ」
「分かった、っていうか立会いは誰がやるんだ?」
ジョーンが模擬戦の立会いは誰がやるのかと疑問を抱いていると村長がその場で名乗り出た。
「わしがしよう、ではもう1度この模擬戦のルールを確認するぞ」
村長が立会いを買って出ると、早速村長は今回の模擬戦のルールの確認を俺達と一緒に確認した。
「まずは模擬戦を行う範囲内じゃが、わしの家の前であまり遠くまでいったらその者は失格とするぞ」
「はい」
「それから、魔法は禁止じゃな」
「はい、最初に言った通りです」
俺やケイトは村長の確認に対して返答すると最後に村長は念を押すかのように確認した。
「それから、相手を殺してもダメじゃ、ここで人殺しをするような者など信用できんからな」
「はい、そのルールに異論はありません、そっちは?」
「もちろんよ、私達はあなた達に実力を見せる為にこの模擬戦を提案したんだもの」
「どうやらお互いこのルールに異論はないようじゃな、それじゃああんたらのタイミングで始めてくれ」
村長は俺達のタイミングで始めてよいと言ってくれたので、俺達はお互いに確認を取る。
「それじゃあ、そろそろ始めるか?」
「ええ、いいわよ、準備はできて?」
「もちろんだ」
俺達が模擬戦を始めようとすると村人達もただ事ではないと感じ、村長の家の近くに集まって来た。
「お、なんだ、なんだ?」
「なんかようさっきの踊り子さん達と魔物討伐にやってきた奴らが模擬戦っちゅうのをするみたいだぞ」
「お、それはなんか面白そうだな」
あっという間に村長の家の周りは人だかりとなり、俺達は多くの人に注目されながら模擬戦を行う事になった。
「わわ、すごく人が集まってきましたね、師匠、ジョーンさん!頑張ってください!」
「随分集まって来たのお、みんなもう少し離れてくれ、模擬戦をする場所が狭くなってしまうわい」
村長の呼びかけで場所は少し広くなり、いよいよ模擬戦の開始だ!
「師匠、どうする?とっとと片付けてしまうか?」
「いや、まずは相手の出方をうかがうぞ」
「攻めてこないわね、何を慎重になっているのやら」
「お、ケイトがさっきおっしゃった通り彼は元冒険者です、私達の力量をまずは見極めようと考えているのでしょう」
「へえ、魔物退治の前にとんでもない事を提案してしまったわね」
むこうも間合いをはかっているな、これは簡単に終わらないかもな。
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