家の前で
依頼を受けて訪れた村にはケイトという踊り子、イライザという演奏者が慰問に来ており、なんと彼女達は周辺に現れた魔物を退治すると村人に言い放ち、依頼を受けた俺達も彼女達に話を聞こうとするが、彼女達をこの村に呼んだ村長を交えた話し合いをする事になった。
「それでは早速村長さんのお家に参りましょう」
「ええ、あなた達も早く行きましょう、依頼を受けた事を村長さんに説明してちょうだい」
「ああ」
しかし同じ村の人から別々に依頼をしているとはな、もっとも彼女達は慰問と魔物退治を兼ねているようだが。
そうこう考えている間に村長の家の前にたどり着き、イライザが俺達に声をかける。
「ではまず、私が村長さんにあなた方の事をお話してくるので、ここでお待ちください」
「ああ、頼むよ」
イライザが先に俺達の事を村長に説明するために村長の家に入ると、今度はケイトが俺に話しかけてくる。
「ねえ、あなた勇者パーティーにいたほどの腕前なんでしょう、どうしてそのまま冒険者を続けなかったの?」
「正直、ギルドのある街はみんなが俺の事を知っているし、マルスは勇者だからみんな俺の方に問題があっただろうと思うだろうしな」
「そうとも言えないんじゃない、最近はその勇者クエストの成功率が落ちて、少しづつ信用が落ちているらしいから」
「そうなのか⁉」
そういえばジョーンも言ってたな、新しい魔法剣士のサラは俺ほどの剣技はなかったって、その事が原因か?
「噂でしかないんだけど、マルスの活躍が乏しいから国はギルドへの支援金を打ち切るって話にもなっているって聞いたわ」
マルスが活躍をしていないという理由での支援金打ち切りか、勇者スキル所持者だからこそ受けていた支援も少しづつ削られているんだな。
まあ、俺としてはもうどうなろうと知った事ではないからな。
「人を大事にしないと自分に降りかかるっていい例ね、それにそのマルスって勇者、それでいながら遊び歩くのは変わってないらしいし、みんなが抱いていた内心の不満が爆発する前触れかもね」
「はは、はっきり言うなあ、マルスの事を良く思っていない冒険者はいたが、冒険者でもない君からそれを聞くとはな」
「私達は情報が大事だからね、街や村で何が起きているかを知っておけばそれに合わせて……、そうどんな踊りを披露すればいいかを決めやすいのよ」
さっき変な間があったな、そう考えているとイライザが帰って来た。
「あ、ええっとリッキーさんでしたっけ?村長さんがあなた方のお話もお聞きしたいそうです」
さてと俺達と彼女達の魔物退治をどうするかを決めないとな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます