稽古に加わり

とりあえず、この道場、村の名前を借りてパルプ道場と名付けたが、そのパルプ道場での理念と方針を2人に伝えた俺は今日の稽古の終わりを告げる。


「とりあえず今日の稽古は終わりだ」

「お疲れ様です師匠!」

「明日から頼むぞ」

「ああ」


 ジョーンも明日から稽古に加われるという事でかなり張り切っているのが伝わってくるな、とりあえず明日に備え今日は休む事とした。


 そして翌日、あ、道場には俺とシーナの部屋だけでなくジョーンの部屋も増築して3人で共同生活をする事になったのだ。


 朝食を終えるとまず俺は2人に告げた。


「早速だが2人共、まずは畑仕事をするぞ」

「はい!」

「え?ちょっと待てよ、稽古じゃないのか?」

「まずは畑仕事だ、そろそろ野菜を作らないと収穫期に間に合わないからな」


 2人に畑仕事をする事を告げると、まず俺達は畑に向かった。


「すげえ!結構広いな!これ全部あんたの畑か?」

「ああ、村に来た時に余った土地だからって譲ってもらったんだ」

「この村の人はちょっと人が良すぎないか?冒険者を辞めたあんたにいろいろ提供してくれるなんてよ」

「何も無条件で譲ってもらったわけじゃない、とりあえず剣の腕を見せてこの辺りの魔物狩りをする約束で譲ってもらったからな」


 畑の土地を譲ってもらった経緯をサラッと話すと俺は2人に畑仕事をするよう促す。


「さあ、おしゃべりはここまでだ!早く終わらせて稽古をしないとな」

「おお、で、まず何からすればいい?」

「ジョーンには……」


 とりあえず2人に何をしてもらうかの指示を出し、畑仕事を終えると昼食を食べてからいよいよ稽古をする事をシーナとジョーンに告げる。


「さあ!そろそろ道場に戻って稽古をするぞ!」

「お!待ってました!」

「それじゃあ早く戻りましょう」


 シーナ、ジョーンと共に道場に戻り、俺は2人に木剣を渡す。


「それじゃあ早速だがまずは素振りからだ2人共やってくれ」

「ちょっと待ってください師匠!私は素振りとかは真剣でもう良かったのでは?」

「今日はジョーンが初稽古だし、同じ木剣で2人の素振りを比較したいんだ、悪いけど最初の素振りだけ木剣で頼む」

「分かりました、師匠がそうおっしゃるなら」

「ありがとう、それじゃあ始め!」


 俺の掛け声で2人は素振りを始めた。


 シーナはやはり最近の素振りのブレは少ないな、体幹がしっかりとしてきた証拠だ、さあジョーンのほうはと言うと、うん、さすがに腕力が強いから木剣の素振りも力強い感じだな。


 だけどやっぱり力任せのせいか、振りが一定ではないな。とりあえずまずはここからの指導だな。

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