決闘受諾
ドラゴン退治があったという噂を聞きつけ、長槍を持った大男が俺達の元に現れ、俺に対し声をかける。
「ドラゴンを退治した剣士ってのはあんたか?」
「……確かに俺はドラゴンを退治したがそれは俺だけではなく、この子、それに領主軍も一緒だったぞ」
「領主軍は確かに強いかもしれねえが、ドラゴンを退治しておいて死者どころかケガ人もなしに普通に活動し続けているのは不自然じゃないのか」
そ、そうか!確かに領主軍にも表向きは手柄を渡したけど、ケガ人すらいない状況なら確かに不自然だし、ちょっと軍事に詳しい奴ならそこには気付くかもな。
「ちょっと事情があって手柄を軍にも渡したんだ、だがそこを考慮しても決して俺1人で倒したわけじゃない」
「まあ、あんたの事情なんて俺にはどうでもいい、俺はドラゴンを倒した奴と手合わせしたくてな」
「村の人から聞いたが、あんたは元傭兵らしいな、ドラゴンを退治した俺との手合わせは自分を売り込む為か?」
「まあな、今は廃業当然に追い込まれ、強い奴に勝てりゃあいい売り込みにはなるだろう」
こいつは傭兵稼業が廃業同然なのか、それで俺を倒して売り込む気か。
「待ってくれ、俺と戦う以外にも売り込む方法はあるはずだ、それを考えてからでも……」
「
「あいつら?追い出す?一体どういう……」
「おしゃべりはここまでだ、俺と戦ってもらうぜ!俺が勝ったら、あんたの名前を使って、売り込ませてもらうぜ」
なんか、こいつ勝手に1人で話を進めているな、これは何としても止めないと。
「おい!ちょっと待て!お前にも事情はあるかもしれないが、勝手に俺の名前を使うのは辞めてくれ!」
「リッキーってんだろう、元勇者パーティーの冒険者さん」
「な⁉」
「え?師匠、冒険者で勇者パーティーにいたんですか?」
「あ、ああ……」
まずいな、俺が勇者パーティーにいた事は村長や一部の村人にしか話していないんだ、今はシーナしか聞かなかったが、もしこのままこいつの決闘を受けなかったら、勝手に喧伝しかねん、不本意だが仕方ない。
「いいだろう、このままでは俺にとってもまずいし、お前との決闘を受けてやる!」
「師匠、大丈夫なんですか?それに勇者パーティーって……」
「後で話す、シーナは心配する必要はない」
「はい……」
シーナにはちゃんと話すとして、その前にこいつに決闘で勝たなくては!
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