第7話 弟子?を向かえたカンガルー
俺は今、選択を迫られている。
そして、考えを改めなければならないのか?と、この環境に疑念が生じる現象に遭遇してしまった。
「お願いします!本当にお願いしますぅ!!ここに置いて下さい!!!」
「そうは言ってもねぇ…………だって君、コアラだろう?」
「ただのコアラじゃありません!!自分、飛べるコアラです!!」
面接官よろしく、コアラに圧迫を掛けるカンガルー。
ダラダラと冷や汗を流しながらも、最上級と言われる
話を聞くと、どうやら彼もこの世界に理不尽なジーザスによって送られた哀れな
面接と言えば履歴書だろう?だから、彼には面接官の権力を行使して、ご自身のステータスを開示して頂いた。
氏名 鮎川 正人(あゆかわ まさと)
年齢 16歳
種族 コアラ(レア)
スキル 存在隠蔽 Lv52
特技 飛空魔法 木登り 駆け足(100m限定/時速40km)
おおぅ……こりゃ俺以上の“ハズレ”を引いたもんだなぁ。でも、やりようによっては隠れて悪さ?が出来そうだけど、森の中じゃ魔物から隠れる以外に使えないね。
レベルを見るに、隠れて隠れてここまで辿り着いたんだろう。
痩せ細り、ゴワ付いた毛並みのコアラの姿は見ていると憐憫を誘ってくる。
………ああ、あれだ。
オース◯ラリアの森林火災があった時に、火傷を負ったコアラの救助や治療をニュースで見た時の気持ちと近いかもしれない。
でもさ外見はコアラでも、コイツの中身は元人間なんだよね。今は困窮しているから下出に出ているけど、もし性格の悪い奴だったら嫌だし……。
「………どうしようかなぁ(自宅警備以外にやる事も無いし)……………」
「お願いします!他に行く宛も無いんです!僕をここに置いて下さい!!迷惑掛けない様に気を付けます!必要な事があったら出来る限り手伝いもします!!」
「う〜〜〜ん…君さ、ここに来た時に同じ様な家を神様的な存在から貰ったんじゃないの?それはどうしたのさ?」
「……実は、変な格好をした鎧の集団に家を占拠されて、僕自身も珍しいからと売られそうになってしまって……慌てて逃げ出しました。」
むむむっ?!まさか俺の家にも来た同じ鎧集団なのか?!
俺は、素早く家の中からセ◯ムで録画された画像を見る為、タブレットを持って来た。
「コアラ君、君の家を占拠したのってコイツ等?」
「え?!な、なんでタブレットが?!」
「俺のスキルで作ったから。それより動画見て確認してよ」
「う…凄く羨ましい。良いスキルを引いたんですね。……………ああ!!!この鎧、間違い無い!!僕の家を占拠したのコイツ等です!!それに、家に来た時『身体が溶けた』とか変な事を全員が言っててめちゃ怖かったんですよ!」
…………おう。そりゃまた失礼しました。
どうやら俺が追い払った集団が、コアラ君の所へ行っちゃったっぽいね。やっぱり、とんだ迷惑集団だったんだな。追い返して正解。
でもそうか……ならしょうが無いな。コアラ君に力を貸すとしよう。我が
クソ鎧集団共よ!首を洗って待っていろ!!
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