ピッキング

天川裕司

ピッキング

タイトル:ピッキング


最近どうも寝不足だ。体がひどく疲れてる。

それと言うのもここ界隈で、

盗難事件・強盗事件が多発していたから。


女の一人暮らしはこんなとき厄介だ。

もし自分がその目に遭ったらどうしよう…

その不安と恐怖でもちきりになる。


そのせいでか寝不足になり、

しっかり寝ていると思っても

体がどうにも疲れてしまう。


(心療内科)


それで私は眠剤でも貰おうかと病院へ行ってみた。

日頃の事情を話すと心療内科へ回された。


ドクター「こちら眠剤になります。もしこれで効かなければ、お薬をまた変えてみましょう」


それともう1つ、ドクターには

少し引っかかるところがあったようで、

私は精密検査のようなものまで受けた。


「睡眠時遊行症…?」


ドクター「まぁいわゆる夢遊病のことです。最近ストレスを感じている事とか、怖い体験をなさったことなどありますか?」


「…いや、別に…。え??私がその夢遊病だって言うんですか?」

信じられない。私が夢遊病だなんて。


(数日後)


でもそれからやはり

心身的な疲れがどうしても取れず、

私は半ば生活に嫌気がさしてきていた。

そして心の中で、あらぬ声が騒ぎ始めた。


「……こんなに疲れて…。もうどうでも良い。…じゃぁそれやってみようかな…」


心の中の私と相談した私は、

「もしかして?」と言う思いのもと、

自分が寝ている間の状況を

つぶさに観察してみようと、

室内カメラを設置してみたのだ。


なに、カメラと言っても携帯の動画。

充電しながら動画を回し続け、

夜間の様子をしっかり確認してやろうと思った。


でも心の声に従うと、

そのスマホを設置した場所は

部屋の中の玄関先。


そして翌日起きて動画を確認して見ると、

「…私これ何してるの…」


ガギ…ガギ…!…ギギ…ギリィ…ガギ…!


部屋の中から

自分の部屋のドアをピッキングしていた?


(心療内科)


「解離性同一性障害…?」


ドクター「…おそらくそのもう1人の自分が、今のあなたに、気づかない内にしている事を教えてくれたんでしょう。そうとしか思えません」


でも落ち着いた街にも又いつか、

同じような事が起きるかも…。


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=NyWy3A4mBk8

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ピッキング 天川裕司 @tenkawayuji

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ