第38話 失敗や成功を超えた「過程を楽しむ」ことの大切さ
私たちはしばしば、目標に向かう過程で「成功」か「失敗」かという結果にばかり注目してしまいがちです。「うまくいった」「失敗した」と結果で物事を評価するうちに、過程そのものの価値を見失ってしまうことがあります。しかし、人生の多くの時間は、その過程にこそ存在しています。結果がどうであれ、過程を楽しむことができれば、私たちはより充実した人生を送ることができるのです。
私自身も、結果にこだわりすぎて苦しんでいた時期がありました。けれども、少しずつ「過程そのものを楽しむ」という考え方を取り入れることで、物事に対する見方が変わり、心が軽くなるのを感じました。
なぜ結果に囚われてしまうのか?
結果に囚われるのは、社会や周囲の評価が結果を基準にすることが多いからです。たとえば:
• 学校や仕事:成績や成果が評価の対象となる。
• 人間関係:「期待に応えられたかどうか」が問われる。
• 自分自身:「この結果が自分の価値を決める」と思い込んでしまう。
私も、結果が思うようにいかないとき、「自分の努力が無駄だった」と感じ、過程の中で得た小さな学びや楽しさに目を向けることができませんでした。
過程を楽しむための考え方
1. 過程に価値を見出す
過程を楽しむためには、それ自体に価値を見出すことが大切です。私は、結果がうまくいかなくても、「この経験を通じて何を学んだのか」「どんな楽しさがあったのか」を振り返るようにしています。たとえば、絵を描く過程で技術が上がったり、新しい表現方法を見つけたこと自体が価値だと気づきました。
2. 「今」に集中する
結果ばかりを気にすると、過程が単なる通過点になり、そこにある楽しさを見逃してしまいます。私は、「今この瞬間に集中する」ことを意識するようにしました。たとえば、料理をするなら「完成する料理」ではなく、「切る音や香り、盛り付けの楽しさ」を味わうことを大切にしています。
3. 失敗を「学び」として捉える
失敗をネガティブに捉えるのではなく、「これは次に活かせるヒントだ」と考えることで、過程そのものが有意義なものになります。私は、書いた文章がうまくいかなかったときも、「ここを改善すればもっと良くなる」と思うことで、過程をポジティブに捉えられるようになりました。
4. 小さな達成感を大切にする
大きな目標に向かう途中で、達成感を味わえる小さなゴールを設定すると、過程が楽しくなります。たとえば、「1ページ書き終えた」「1時間集中できた」といった小さな成果を認めることで、過程にやりがいを感じられるようになります。
5. 他者の評価を気にしすぎない
結果を他人の評価で判断すると、過程の価値が見えにくくなります。私は、「他人がどう思うかより、自分がどれだけ楽しめたか」を基準にするよう努めています。これだけで、過程そのものへの意識が大きく変わりました。
過程を楽しむことがもたらすもの
1. 物事を前向きに捉えられる
過程に目を向けることで、失敗しても「無駄だった」とは感じなくなります。むしろ、「次に進むための一歩だった」と考えられるようになります。
2. 結果に左右されない満足感
結果がどうであれ、過程そのものを楽しんだという実感があれば、満足感を得られます。
3. 学びや成長の機会を増やせる
過程に集中することで、小さな学びや成長を見逃さず、それを積み重ねていくことができます。
過程を楽しむことが人生を豊かにする
人生の多くの時間は、「何かを達成するための過程」に費やされています。その時間を楽しむことができれば、結果がどうであれ、私たちは毎日を充実させることができます。過程を丁寧に生きることは、人生を豊かにする最も確実な方法の一つです。
最後に
結果は大切ですが、それ以上に、そこに至るまでの過程にこそ価値があります。どんなに小さな一歩でも、それを楽しむことで、私たちの人生はより豊かで意味のあるものになるでしょう。過程を大切にしながら、今日という一日を丁寧に過ごしてみてください。
次回は、「自分の価値を見つける」というテーマでお話しします。他人の基準ではなく、自分自身の価値をどう見つけ、どう大切にしていくかを一緒に考えていきましょう。
私の思うパーソナリティー障害の現実とは 星咲 紗和(ほしざき さわ) @bosanezaki92
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