第15話 自分が作る居場所
居場所――それは、私たちが安心して自分らしくいられる場所のことです。けれども、パーソナリティ障害を抱えていると、この「居場所」を見つけるのが難しいと感じることがあります。自分を受け入れてくれる場所がないと感じたり、どこにいても居心地の悪さを感じたり。私も長い間、自分の居場所を探していました。
しかしあるとき、「居場所は誰かに与えてもらうものではなく、自分で作るものだ」という考え方に出会いました。それは、私の生き方を大きく変えるヒントになりました。
居場所が見つからないときの孤独感
学生時代、私は教室で孤独を感じていました。周囲の誰とも馴染めず、ただその場にいるだけでエネルギーを消耗していました。それは職場でも同じで、「自分の居場所はここにはない」と感じることが多かったのです。
この孤独感の中で気づいたのは、外部に居場所を探し求めても、それが見つからないことがあるということです。そして、もし見つからないなら、自分で作るしかない――そう思うようになりました。
自分が作る居場所の形
私が実践している「居場所を作る方法」をいくつか紹介します。
1. 自分を受け入れる場所を作る
居場所を作る第一歩は、自分を受け入れることです。他人に認められるための場所ではなく、自分が自分でいられる場所を作ること。私にとってそれは、部屋の中に小さな読書スペースを作ることでした。そのスペースでは、誰の目も気にせず、ただ自分が落ち着ける時間を過ごしています。
2. 好きなことができる空間を見つける
趣味や興味を通じて自分が没頭できる空間を作ることも、居場所作りの一つです。私は文章を書くことが好きなので、カフェや自宅でノートを広げる時間が、自分だけの居場所となっています。
3. 人との繋がりの中で居場所を育てる
居場所は、必ずしも物理的な場所だけではありません。私は、少数でも信頼できる人との関係を大切にすることで、心の中に「居場所」を育てることができました。たとえば、SNSで同じ興味を持つ人とつながったり、気軽に話せる友人を大切にすることで、安心感を得られるようになりました。
4. 居場所は小さくていい
居場所は、広いコミュニティや大きな集団である必要はありません。たった一人でも、自分を理解してくれる人がいれば、それが十分な居場所になります。私にとっての「居場所」は、家族や数人の友人、そして自分だけの時間にあります。
居場所を作るためのヒント
居場所を作るには、自分が何を求めているのかを知ることが大切です。以下の問いを自分に投げかけてみてください:
• 自分が「安心する」と感じるのはどんな場所か?
• 誰といるときに自分らしくいられるか?
• どんなことをしているときに心が落ち着くか?
これらの答えをもとに、小さな一歩から始めてみることが大切です。
居場所を作ると得られるもの
自分で居場所を作ることができると、不思議と心に余裕が生まれます。「自分には帰れる場所がある」と感じられることで、日々の孤独や不安が和らぎ、外の世界とも少しずつ繋がれるようになります。
最後に
居場所は、必ずしも最初から見つかるものではありません。でも、自分自身の手で作り出すことができます。大きなものである必要はなく、小さな安心感の積み重ねで十分なのです。自分が自分らしくいられる場所を少しずつ育てていくことで、孤独も不安も軽くなり、自分らしい道を進む力が湧いてくるはずです。
次回は、「過去の傷とどう向き合うか」というテーマについて考えます。過去の経験が今の自分を縛るとき、それとどう折り合いをつけるのか、一緒に考えてみましょう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます