第6話 パーソナリティ障害と社会との関わり方
パーソナリティ障害を抱えながら社会と関わることは、まるで山道を歩くような感覚があります。道はでこぼこで、時には険しい斜面が続く。それでも、一歩ずつ進まなければならない。その過程で、私は「社会との距離感」を見つけることが大切だと気づきました。
社会の期待と個人の生きづらさ
現代社会では、多くの人が「当たり前」にできることを求められます。例えば、仕事ではチームワークやコミュニケーション能力が重要視されますし、日常生活でも他人との調和が求められることが多い。しかし、パーソナリティ障害を抱えていると、これらの「当たり前」が簡単にできないことがあります。
私自身、過去に働いていた職場で、「なんでそんなに気にするの?」と言われたことが何度もあります。小さなミスを気にしすぎて動けなくなったり、同僚の一言に傷つき、次の日には出社するのが怖くなったり。それでも、社会は待ってくれません。自分だけがそのスピードについていけないような焦燥感に苛まれることも少なくありませんでした。
自分の特性を知り、受け入れる
そんな中で私が少しずつ見つけたのは、「自分の特性を知り、無理をしすぎない」ことの大切さです。社会の期待に完璧に応えられなくてもいい。自分なりのペースで進むことが、長い目で見て社会と関わり続けるためのコツだと気づきました。
例えば、私は以下のことを心がけるようにしています:
• 「できること」と「できないこと」を明確にする
自分の特性を理解し、得意な分野に集中することで、少しずつ自信を取り戻しました。
• 自分のペースで進む
周囲のペースに無理に合わせず、自分にとって無理のない範囲で物事を進めるようにしています。
• サポートを求める勇気を持つ
家族や友人、専門家に頼ることは、弱さではなく、自分を守るための重要な手段です。
社会との付き合い方を工夫する
また、社会との距離感を見極めることも重要です。私は「フルタイムで働くことが難しい」と感じてから、在宅での仕事や、短時間のアルバイトを選ぶようにしました。そうすることで、必要以上に心の負担を抱えず、自分のペースで生活を続けられるようになりました。
さらに、オンラインコミュニティや趣味のグループに参加することで、自分に合った繋がり方を見つけることができました。社会とは、必ずしも従来の形で関わる必要はないのです。私たち一人ひとりが自分に合った方法を模索する権利があると、今では思えるようになりました。
社会の理解を求める一歩
一方で、社会にもパーソナリティ障害への理解がもっと広がる必要があると感じています。職場や学校、地域社会での偏見が少しでも減れば、私たちはもっと生きやすくなるはずです。そのためには、私たち自身も自分の気持ちや特性をオープンに話し、互いに歩み寄る努力が求められるのかもしれません。
社会との関わり方は、パーソナリティ障害を抱える私たちにとって一つの大きな課題です。それでも、自分の特性を受け入れ、工夫を重ねることで、無理のない形で社会と繋がることができると私は信じています。
次回は、具体的な「社会との距離感の取り方」について、さらに詳しく掘り下げてみたいと思います。社会と自分を繋ぐ架け橋となるヒントを、一緒に探していきましょう。
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