第4話 パーソナリティ障害と孤独感の深い結びつき

孤独感というものは、多くの人が経験する感情です。けれど、パーソナリティ障害を抱える人々にとって、その孤独感は特別な形を取ることがあります。それは、単なる「ひとりぼっち」の感覚ではなく、「誰とも繋がれない」「本当の自分は誰にも理解されない」という深い切り離された感覚です。


私自身、パーソナリティ障害と診断される前から、この「繋がれない孤独感」に悩まされてきました。人間関係の中にいるのに、自分だけが透明な壁の向こう側にいるような感覚。他人と会話をしていても、どこかで「相手は私のことを本当に理解していない」という思いが消えませんでした。逆に、自分が相手を傷つけてしまうのではないかという不安も常につきまとっていました。


こうした孤独感は、多くの場合、パーソナリティ障害の特性と密接に結びついています。例えば、回避性パーソナリティ障害の人は、他人からの批判や拒絶を極端に恐れるあまり、人との関係を避けてしまいます。その結果、孤独感を深めてしまうのです。しかし、拒絶を恐れる心の奥底では、実は「誰かと繋がりたい」という強い欲求が存在しています。この相反する感情の間で揺れることが、孤独感をさらに複雑なものにします。


また、境界性パーソナリティ障害のように、感情の揺れが激しい人の場合、人間関係が極端に親密になったり、逆に急に遠ざかったりすることがあります。その繰り返しは、周囲だけでなく本人にも大きな孤独感をもたらします。「自分は愛されていないのではないか」「いずれ捨てられるのではないか」という不安が、孤独の影をさらに濃くしていくのです。


孤独感に向き合うことは簡単なことではありません。それが「自分のせい」ではなく、心の特性によるものだと理解していても、それを超えるのは難しい。それでも、私は少しずつ、「孤独感に蓋をするのではなく、向き合う」努力をしています。それは、自分の心を受け入れるというプロセスでもあります。


そして、このエッセイを書きながら感じるのは、「孤独感は人とのつながりを求める心の叫びでもある」ということです。だからこそ、孤独感を否定せず、その中にあるメッセージを受け取ることが大切なのかもしれません。


次回は、パーソナリティ障害を抱える人が「孤独感とどう向き合うか」という具体的なヒントについて考えてみたいと思います。少しでも、心の壁を軽くする方法を見つけられるかもしれません。

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