俺が殺した男と僕を殺した男性
冬彩 桜月
プロローグ
俺が殺した男
今更言い訳しようなんて思わないし、捕まったって恨まれて殺されたってしょうがないと
思う。「なんでこんなことをしたの?」と
聞かれてもよく分からない。他の奴らみたいに刺激を求めていたのか、暇だったからなのか、嫉妬からなのか、それとも単純に誰かに構って欲しかったからなのか。だがその結果俺は人を殺した……精神的な苦痛を与え自殺にまで追い込んだ 狂人だ。冬野 陽は知名度の高い配信者だった 顔出しはしていないが
ライブだってしたらしいし、声優も務めたらしいしテレビにだって引っ張りだこだった。
アンチコメントにだって返信して「おもんな」と言われれば「面白いと思ってもらえるように努力します」といい「嘘乙𝗐𝗐𝗐」と
言われれば「確かに これだと嘘っぽいですよね。すみません」と本当に真面目な人間だった。だがある1件の動画がきっかけで炎上した「私 冬野 陽に無理やりヤられて、男性不信になりました。」涙ぐみながら訴える女性配信者 冬野 陽は「そんなことやっていません。」と無実を訴えたが「嘘つくな!」「謝れ!」
と非難が殺到俺はあんなに有名な人間が
こんなことをするのが面白くて「死んで償え𝗐𝗐𝗐」とコメントした。その数ヶ月後コメントをしたのも忘れていた頃だった 陽が久しぶりのライブ配信をした。真っ暗な 部屋 そして
陽の「見えてるかな?」という酷く優しい声
「みなさん、僕は本当にやってません。でも僕は逃げます……それは、僕が弱いからで
この
受け入れてくれて、本当に大好きな場所でした」声の震えを必死に隠すように明るい声でいう。昔誰かが言っていた「死ねと言われ
死ぬのはただの馬鹿だ」と。「だから、そいつが死んでも俺は悪くないし 関係ない。
そいつが“弱いから悪い”」本当にそうなのか?「死ぬな」とコメントをする。でも
その声は「ヤラセだろ?」「あんなことしたなら、本当に死んだ方がいい」「弱っ𝗐𝗐𝗐」
という声で消されていく。「さようなら、
大好きな世界」一瞬だけ映った顔はこの世のものでは無いように美しく儚いまるで天使のような見た目だった。窓が開き 陽が闇に飲み込まれていった「ガチだったの?」「編集でしょ?」「いや、でもライブ配信じゃん」と
焦る声「ガチで死んでるの?雑魚っ𝗐𝗐𝗐」と
嘲笑う声。俺はただ画面を眺め 自分が人を
殺したのだと 体が震えた 俺の「死んで償え𝗐𝗐𝗐」という一言が本当に人の命を奪った。
次の日ニュースが流れる
「人気配信者 冬野 陽さんが今朝遺体として
発見されました。そしてもう1つのニュースです」画面が切り替わる「人気女性配信者が
詐欺罪で逮捕されました。」
本当に殺してしまったという現実がグッと
押し寄せてくる。「辛いか?」どこからか
声が聞こえる「過去に戻りたくないか?」
幻聴なのか?でも、その声ははっきり俺の
元に届いていた。「いつに戻れるかは選べないが、お前の命と交換に過去に戻らないか?」答えは決まっていた「戻らせてくれ」
自分は関係ないという表情なんてできるわけがなかった。「わかった、じゃあ過去に
戻らせやる」その瞬間意識がなくなりバタリとその場に倒れた。
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