第3話
立ちながらうなずいた。
ユウは錆びた鉄のごみ入れに空き缶を器用に投げ入れると、バイクにまたがった。
あちらを見ると、ケイゴがナンパで成功した後輩に一言つげていた。すると後輩たちの腕にぶらさがっていた数人の女が、後輩の腕をするりとぬけてケイゴにむらがっていく。
これまたさっとかわしたケイゴを、女たちがえさを欲しがる猫のようにおっていった。あせった後輩が必死になって取り返している姿がなんだかおかしかった。
「どこをまわるんだ」
ケイゴがヘルメットを手にしながらいうと、ユウが間をおいていった。
「できるだけ繁華街をまわろう。今日はそのままリュウの家にとまろうと思うんだけど、ケイゴはどうする」
うなずいたケイゴがバイクにまたがると、それが合図だったかのように三人はエンジンをふかした。
ケイゴを先頭にした三台のバイクは、うねるように弧を描くと、まるでレースをするかのように次々と車をぬかしていった。バイクは、たのしくて、気もちがいい。まるでセックスをするときのような快感があって、ぞくぞくするのだ。
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