第5話
「ついちゃうからまた今度。またね」
そういうと、軽く手をあげて歩きだす。ドアが開くと一度振り返ってすこし微笑み、いってしまった。風音がでていくと、すれ違うようにどんどんとはいってくるものにその姿はみえなくなった。
「おまえがきれいだなんていうと、お世辞に聞こえないな。風音ちゃん、顔が紅く染まってたぞ」
「お世辞じゃない」
自分の言葉で紅くした頬。かわいらしく伏せ目がちになった顔をおもいだしていた。
その日、おれたちは次の駅でおりると、そのまま家に帰っていった。アキトが、がんばれよとにやにや笑いながら去っていたのを、おれはぼおっと見つめていただろう。
次に会ったとき、アドレスを交換したのを覚えている。
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