第7話 ぶっちゃけ医者との恋愛はある?

美里が神医者の話を締めくくり、グラスを置いたところで、彩香が不意に思い出したように声を上げた。


「ねえ、ちょっと聞いていい?ぶっちゃけ、医者との恋愛ってあるのかなって思うんだけど。」


恵は眉を上げながら苦笑する。「あー、来たね、その話題。あるにはあるけど…どうなんだろう。」


美里が冷静な表情で彩香を見つめる。「彩香、もしかして誰か狙ってるわけじゃないよね?」


「いやいや、違うって!」彩香は慌てて手を振りながら言った。「たださ、私たち看護師って、医者と一緒にいる時間が長いじゃん。だから自然にそういうこともあるのかなって思って。」


恵がグラスを傾けながら、ぽつりと言う。「同期の研修医と付き合ってた子、何人か知ってるわよ。でも、ああいうのって続かないことが多いのよね。」


「そうなの?」彩香が目を丸くして聞くと、恵がうなずく。


「だって、研修医なんて時間がないし、精神的にも余裕がないでしょ?それに、仕事が忙しすぎて連絡もまともに取れないことが多いのよ。」恵が淡々と話す。


美里がグラスを持ち上げながら、少し声を低くして言う。「でもさ、本当にぶっちゃけると、不倫してる人もいるよね。」


彩香は思わず吹き出して、「それ、聞いたことある!医者ってなんであんなにモテるのかなぁ。不倫とか、正直リスク高すぎるでしょ。」


恵は苦笑しながら、「いや、リスクなんて考えてないんじゃない?実際、奥さんがいるのに他の人をデートに誘う医者もいるし。そういうの、ほんと信じられないよね。」


美里はため息をつきながら、「私も誘われたことあるよ。『二人で食事どう?』って。でも既婚者だって知ってたから、即お断りしたけどね。」


彩香が少し声を抑えながら、「実はさ、私も一回だけ医者と付き合ったことあるんだよね。でも、めっちゃ大変だった。」


恵が興味津々で、「ちょっと、どう大変だったの?」と聞く。


彩香は少し思い出すように話し始めた。「まず、時間が合わないのがきつかった。夜勤明けでヘトヘトな私に、いきなり『今から会えない?』って連絡が来たり、逆に私が休みの日は向こうが当直だったり。」


美里が「それ、確かに続けるの難しそう。」とうなずくと、彩香が肩をすくめる。


「結局、私が疲れすぎてフェードアウトしちゃった。なんか、恋愛してる場合じゃないって気づいちゃって。」


恵は笑いながら、「それ、わかるわ。仕事が忙しいと恋愛にエネルギーを割く余裕がなくなるのよね。」


美里は静かにグラスを置き、「でも、素敵な医者がいたら、一緒に頑張れるんじゃない?」


彩香が笑いながら言った。「それがさ、仕事も恋愛も一緒にするって、意外と理想より現実が難しいのよ!」


三人はしばらく笑い合いながら、お互いの恋愛観を語り続けた。


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