第5話 昼のみで医者に愚痴る
別の日の最初の乾杯が終わり、居酒屋のテーブルにビールが並ぶ頃、彩香が一息ついてから話し始めた。
「ねえ、聞いてよ!昨日さ、急に担当医から指示もらおうと思って電話したんだけど、全然出ないし。で、結局何回かかけた後にやっと出たと思ったら、『忙しいから後でかけ直す』って言われて、結局折り返しもなかったんだよ!」と彩香が不満を述べると、恵が共感する。
「それ、めっちゃわかる。私もさ、最近電話しても全然繋がらないし、たまにかかってきても切られることあるし。『あー、ごめん、ちょっと忙しいから』って言われて、こっちが忙しいんですけど!って思うわよね。」恵は口を尖らせて言う。
惠は続けて
「それで、こちらが何度も連絡してようやく話せたと思ったら、『そんなこと、俺に言わなくていいじゃん』って感じで返されて、舌打ちされたわ。」
美里も呆れたように口を開く。「いや、それムカつく!だって、こっちは一生懸命患者さんのこと考えて報告しようとしてるだけなのに、舌打ちとかありえない!」
「そしてさ、今日も別の先生が『患者さんの状態どうだった?』って聞いてきたから、話し始めたら…いきなり無視して資料整理しだすんだよ。もはや会話する気ゼロだし。」彩香は手を広げて困惑する。
恵も同調する。「医者って、あれなんだよね。こっちが話しかけた瞬間に、『はいはい、わかってる』みたいな態度で、絶対に話を聞かない。もう、こちらが何か頼んでも、聞いてるフリすらしないことがあるわよ。」
美里が黙ってうなずきながら言う。「ほんと、聞き流してる感じの医者が多すぎ!たまに、意識的に無視されてる気がすることもあるけど、結局それが一番ストレス。」
彩香がまた息をついて言う。「あとさ、既婚者なのにやたらと『一緒にご飯行こう』って誘ってくる医者とかいない?正直、こっちは不快すぎて、絶対断るんだけどさ。」
恵は少し目を大きくして言う。「ああ、それもある!一回、そういう医者に言われて、後でみんなに話したら『どうして断らなかったの?』って言われてさ。でも、やっぱり気まずくて、結局行かなかった。」
美里は不快そうに顔をしかめる。「その手の医者、結構いるんだよね。『なんで俺と一緒に食事してくれないんだ?』みたいな感じで、こっちを誘うの、ほんと嫌。」
恵は少し戸惑いながらも話を続ける。「実は最近、別の先生に誘われたんだよね。もうね、心の中で『絶対断ろう』って決めてたけど、でもやっぱり、なんか断りきれなかったんだよね。言葉にすると冷たい感じになっちゃうし。」
美里は少し驚いたように言う。「え、恵さんも?でもそれ、やっぱり断るべきですよ。相手もわかってるはずなのに、誘ってくるってことは、すごい勘違いしてるってことだから。」
恵は少し笑いながら答える。「そうなんだよね。で、結局その先生と食事に行ったんだけど、ただ仕事の話と自慢話を延々とされるだけだったし、むしろこっちのほうが話したかったことが多すぎて、すごく無駄に感じた。」
美里はうんざりした表情を浮かべる。「わかる!こっちだって、無駄に時間を取られた気分になるよね。でも、そんなことで他の人に変な誤解されるのも嫌だし、最近はもう誘われた時点で断るようにしてる。」
皆で再び乾杯をしながら、昼飲みはさらに盛り上がりを見せた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます