不落城の如く
ちゃんマー
第1話 序章
夜はとうに
月も見えない夜だった。
この
あれだけ酒を
しかし酒を目の前にすると
「こりゃあ、やっぱり
酒の力もあってか暗闇の帰り道など、どれ
おまけに
しかし、いざこうして暗闇の中を
それにもう少し行くとあの
あそこには
そこがまた
お
ーヒヒヒー
五助の耳に何かが
ーヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!ー
「で、出た⁉︎」
五助は
暗闇から声が聴こえて来て、それが自分の方に
「来るな、来るな、来るな!」
五助は
しかしその
「ええっ、五助はん、まだ
しかし五助が帰ったのは、
「そやから、あれほど
もしかしたら、足を
そのことを五助の妻に
「それなら五助はん
五助の妻は
「う〜む、やっぱりあそこかいな……」
あそこには
五助の妻も
「わかった行くわ、ちょっと
清吉は五助の妻を
あんな
こうして
そしてその
太陽の光も奥まで届かず、昼間に来ても
「あっ、うちの
「やっぱり五助はんここに来とったんやな、おい、もっと
連れて来た丁稚たちに言い聞かせた。
そして五助の妻の方を見ると、顔を
五助の妻もとうぜん
「あああ、
やはり嫌な予感が当たった。
五助の妻はその場で
清吉は
五助の
もちろん辺りは血の海になっている。
まず清吉がしたのは、五助の妻を
それから五助の
「野犬か狼やな、こんな死に方をして五助はん
「
「なんやて」
「
「なんや大きなっ奴て、
「
言葉にするだけでも恐ろしい。
「よ、妖怪」
ついに丁稚が口にした。
清吉だって始めから分かって居たが、そのようなものが本当に
しかもここら辺に熊は居ない。
清吉は急に恐ろしくなって来た、しかしこのまま五助の
「もっと人を
誰も何も言わない、とにかく皆この場所を
「五助はん、また来るよってにな。 もうしばらくそこで
五助の遺体にもう一度手を合わせてその場を後にした。
始めはゆっくりと歩いていたのだが、そのうち
五助の妻も
帰り着くとすぐに丁稚を
届けを、出す為だ。
江戸時代初期、この時代の
幕府がそうなのだから、
この
広がると同時に話に尾ひれが付き、
昔からあの場所は良くない
五助の事件を
中には誰かが自分で殺した死体をあの場所に捨て置き、妖怪の
そして
峠を通る旅人を
しかしその浪人集団もいつしか居なくなった。
妖怪に皆殺しにされたのだと噂になった。
その頃を同じくして、姫路の城にも妖怪が出るのようになったとの噂が流れた。
時には老婆の妖怪であったり、若い女の妖怪であったりと、数々の目撃談があるのだ。
その噂は、お城務めの武士から庶民へと噂が広がって行った。
姫路のお城には、妖怪が出るそうな
こんな噂話がある。
当時の
全国から名のある医師を集め治療にあたらせたが、どうにも治らない。
最後は神仏にすがる思いで、
僧が
鬼はまた妖しい女の姿に形を変え、自分は長壁姫(おさかべひめ)だと名乗り、この城に住んで居ると告げて消えたと言う。
池田輝政は、病に倒れ亡くなって居るのだが、この噂話に出てくる輝政の病がそうなのかどうかは伝わっていない。
長壁姫は、姫路城に隠れ住むと言われる女妖怪である。
小刑部姫、刑部姫、小坂部姫とも言う。
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