あの輝いて走るきみに僕からのメッセージ

@kaminetu

第1話

 俺の目の前には一人の教師がいる。黒髪のロングヘアでクールな見た目だ。そのクールな顔で歳を二つ一つ誤魔化したとしても気がつくのは難しいだろう。


「なんのようですか?」


 そう黒髪教師、黒川先生に何故呼びだされたのかを聞いた。何故なら要件は今日まで教えてくれなかった。なんかあるだろうなと警戒はしていた。


「この世界のことを君はどう思う?」


 この世界は女子高生が急激に増え、尚且つ陸上選手になりたい乙女が増えた。この学園はそんな乙女を支える学園んである。


 あるのだがそれがどうしたって感じだ。俺は男で陸上になんの魅力も感じていない。ただそれだけなのだ。


「好きなだけ走ればいい。だが夢は叶うのは難しいというくらいしか思いつかないですね」

「せっかくだ。神谷せっかくだから走ってえいる姿を直接見ないか?」


 夢を追いかけて走る彼女達を見るのは恥ずかしい。夢などない俺からしたら最も相応しくないのだろう。


「せっかくだし行きますか!!」


 だがそれでも近くで彼女達の走る姿を見るのも悪くはない。そう思った。


ーーー

彼女達は走っている。一周400メートル、それを8周をして、尚且つ一周ごとに最下位だったらこのレースから敗北として負けを認めるしかない。


「ヤァ、調子はどうだい?」


 黒川先生が聞くと赤城先生はまぁまぁまだまだですかねと言って返した。


「男子高校生がトレーナーになってもらわないと原則で大会に参加出来ないですからね」


 そう何故か同じ学生同士が教えないと大会に参加出来ない。その点この学園は男子生徒は少なく俺を含めて10人しかいない。


 そのうち、今トレーナーとしてるのは二人のみ、残りの俺を含めた8人は陸上に興味がないのだ。


「あと何周ですか?」


 俺はつい聞いてしまった。赤城さんはニッコリ微笑みながら


「そろそろ8周だね。そろそろロングスパートの時間だ。面白くなって来たぞ」


1位と2位の激しい勝負の競り合い、どっちも激しい勝負をしている。青い髪の女子が勝つのか、金色の髪が勝つのか激しい勝負の駆け引きが行われる。


一歩前に前に、金色の髪が先頭に立ったと思いきやすぐに追いつき互角の展開は続く。


 お互い一歩も譲らない大勝負残りは100メートルを切っていた。疲労があるだろうに金髪の少女は疲れを見せずに笑っている。


 このレースを楽しんでいる。だが、それでも足りない。何かが足りない。そう思った。


そんな時あまりにも勝って欲しくて金髪の彼女の名前を出してしまう。


「頑張れ京香」


 一年間喧嘩していて名前を出したこともない幼馴染の名前をついにこの瞬間言った。


 京香は青髪の彼女より残り20メートルくらいで凄いスピードで抜き去った。その後の衝撃は凄くあまりの早いタイムに誰もが驚いていた。


 そのタイムは彼女のベストタイムを3秒はやくて全国で戦えるタイムだった。


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