　悔やんでも。

　どれだけ泣き叫ぼうか、その声はもう届かない。

　失ったものの大きさに今更ながらに気付いても。

　もう、元には戻らない。

　悲しみ

　哀しみ

　……。

　それは、雪のように降り積もるのだろうか。

　根雪のように解けないで、彼らの心を侵食するのだろうか。

　遺（のこ）された人の気持ちなど、

　考えられる余裕があるならば、あんなことはしないだろう。

　遺された人が、

　私を失った後に気付いた気持ちなど、

　私が存在し続けている限りは　気付きもしないだろう。

　私は、そんな人達のために存在し続けることに疲れたの。

　私は、私を解放したかったのだよ。

　もう、何も　私を縛り付けないで。

　私は、天使になり損ねた。

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