【感想】 『バラケツ勝負』(1965年/主演:大川橋蔵) まさかの任侠ミステリー!?
監督 松田定次
脚本 比佐芳武
出演 大川橋蔵、内田良平、大木実、藤純子、桜町弘子、志村喬
大正時代の神戸は新開地。そこの長屋を根城にしているバラケツたちの姿を描く。
で、そのバラケツとはなんぞや? 検索してみると愚連隊を指す言葉らしい。
しかし、大川橋蔵演じる主人公はスリの青年の足を洗わせたり、長屋の地上げを企むヤクザと対立したりと悪事は働かない。検索して出てきた言葉のダーティなイメージよりも、もっと自由な存在に見える。
まあ、これはあくまで映画の中の話であって、実際のバラケツは今のヤンキーや半グレみたいなものだったのかもしれないが。
作品前半は様々なエピソードが入り乱れる一方、すべて後半の前フリに過ぎず、まとまりに欠け、ゴチャついた印象は否めない。
では、その後半で、なにがメインになるのかといえば、なんとミステリー展開! 殺人の濡れ衣を着せられた主人公がその疑いを晴らすべく、仲間と捜査を始める。
クライマックスの殴り込みでは、事件関係者が集まるなか、主人公らが華麗に謎解きを披露。これ、もう『バラケツ勝負』じゃなくて、『バラケツ探偵』じゃないか!!
意外性のある作品ではあるが、それだけにゴチャついた前半が惜しい。
もっと、まとまっていたら、任侠ミステリーという新たなジャンルが誕生していたかもしれないのに……。
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