君に会えない街

天川裕司

君に会えない街

タイトル:君に会えない街


「ティーカフェの前だね、わかった」

彼女から電話がかかり、俺たちは落ち合うことに。

でも行ったら、

「あれぇ?居ない」

まだ彼女は来てないのか。

ティーカフェの前で待ってるって言ってたのに、

行くと居なかった。


俺たちがよく行きつけにしていた喫茶店。

まさか自宅から出て来ても、迷う筈なんてないのに。

そのうち時間が経って、

「…また会えなかったか」

とその状況がわかる。


しているとその喫茶店でコーヒーを飲んでいた時、

「あそうなのか?わかった、今から行くから」

また彼女から電話がかかり、

今度はティー公園で会おうと言ってきた。


ティー字路の向かいにある公園で、

ここもよく彼女と来ていた場所。

ここで喧嘩もしたし、慰め合ったし、

俺たちにとってはそれなりの思い出の場所だ。


でも、

「…また会えなかったか」

やっぱり彼女は来ておらず、会えなかった。


「いつになったら会えるんだろ」

そんな事をふと思ってしまう。


最寄り駅のホームに上がっても、

彼女の影をチラチラ探す俺。

そんな所に居ないのに、悲しい男の性なのか。


曲がり角を曲がったら

急ぎ足の彼女と鉢合わせしないか?

なんてそんな事まで考えたり。


また電話がかかり、

「いま家の前に居る」

と言うのを受け言っても、やっぱり居ない。

また喫茶店の前に居ると言われて行っても居ない。

駅の改札前に居るから来て、

と言われて行ってもやっぱり居なかった。


俺は落ち着いて彼女との事を考える。

「いつになったら現れてくれるんだよ…」

「俺もうこの駅にもあんまり来れないんだよ」

「いやこの街にも、もうあんまり長く居られないかも」

そんな事を考えつつも

やっぱり彼女とは会えない。


「…警察が来る前に、いちどでも良い、俺の前に現れてくれ…」


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=vEOZx2xD1EE

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

君に会えない街 天川裕司 @tenkawayuji

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ