異世界チート生活 俺のスキルは家で俺だけがいつでも帰れる!!

竜翔

第1話 スキル 家

引きこもり高校生日野森裕ひのもりゆうこと俺ですが

実は学校でいじめにあっている

とはいうものの別に俺が悪いことをしたわけではない

俺はそれよりも前に虐められていた

イキって調子づいたせいでシバかれた経験がある

だからこそ今度はそうはならないように地味に目立たないようクラスで息をひそめていた

それが悪かった

目立たないように過ごしていたのが格好の的にされ

サンドバッグのように扱っていいと言っているようなものだと気が付かなかった

更に地味であるがゆえに俺が何されようと誰も気にしない

空気の様に生きていた為空気のような扱いを受けている

それが仇となったのだろう。クラスのリーダーは見た目も勉強もスポーツも優秀で

女子からもモテていた。だからこそ俺のような奴を虐めていれば注目を集めるのだろう。それ以来、耐え切れなくなって家に引きこもった

ここが俺の世界。誰にも脅かされず俺だけが無敵の世界

ちっちゃくてちっぽけな俺を表すように。その世界は狭く小さい…


序章

そんなある日のことだった

伊奈波高校が突如学校丸ごと消えたらしい

だが俺には関係のない事。学校に居場所はないし

無くなって清々する。これで俺は悠々自適に自宅警備員を全うできるわけだ

いつも通りゲームをする。据え置きゲーム機ラバースのゲームソフト

『ビシャス』をプレイしていた

ビシャスの中では俺は最強だ。引きこもっていたので24時間つぎ込んで没頭して

レベルもカンストしている。超希少アイテムに最強装備に隠しアイテムフルコンプリート。何週もプレイしてやりつくして

新たなセーブデータでまたトライする。

・・・現実でもこんなに強かったらなぁ

なんて思い更けてしまう。学校でいじめられているのは単に俺が弱いから

多勢に無勢もあるが俺自身フィジカルが弱く立場も弱い

昔調子こいてた時それが災いしていじめの対象になったのだ

つまり何をしても虐められる。俺は外の世界に出るのが怖い

負けっ腰に弱腰。現実世界で俺は強くなれない

かりそめの力で強くなった気分でいられないと自分でいられない

・・・そのままでいいのだろうか?

一歩踏み出せば変わるかもしれない。もしかしたら負け犬の人生を変えられるかもしれない

それでもそれ以上に他人から受けた屈辱と被害が一縷の希望を塗りつぶす

そしてふと、貯蓄していたおやつがなくなっていることに気づいた

買出しに出かけなくては。学校に行くのが怖いだけで外に出ることが怖いわけではない。必要なものを忘れないようスマホにメモして必要な荷物を持ちドアノブに手をかける


──不思議な感触がした。今まで感じたことのない何かがノブの触れたとたん感じ取った

いつも外出に使うドアなのに。なぜか不思議な感覚がして

だが気のせいだと思ってノブを回す

カチャリと留め金が収まり蝶番が回りドアが開く音がする

その先は日差し。今日は晴天。青い空が広がり見覚えのある景色がそこに


なかった


「え?」


間抜けな声を上げる。ドアの開いた先には道路と住宅があるはずだ

だが俺の目の前にあった光景は、どこかの町であり

そして牧歌的でなおかつ、人間じゃない亜人のような存在がそこら中に闊歩している

繁華街のような盛隆な場所。出店が陳列し様々な料理の匂いが鼻を付く

見れば魚や肉などであるがどう見たってファンタジーのモンスターの肉が焼けていて

しまいにはトカゲの串焼きを焼いている店もある


思考が停止する。そくざに俺はドアを閉めた


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


なんだ。夢か。不登校生活で不規則な生活をしている為か

神経系に異常が起こっているらしい

眠りすぎて夢の続きが起きていながら映像が流れている

そういえば学校消失事件ってあれだよな

異世界転移的なやつっぽいよな。ならそれが脳裏にこびりついてそんな幻覚を見せているのだろう


ドアにもたれかかって一呼吸。コーヒーでも飲んでカフェイン補充しよう

そう、そんなバカげたこと起きるはずない

そう言い聞かせて目を開くと


なんかウインドウが表示されていた


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ウインドウには『スキル:家』と表記されており何やら説明が書いてあるが

とりあえず無視

粉のコーヒーを注いで脳にカフェインを行き渡らせ落ち着いて

もう一度扉を開く

すると


さっきと同じ光景が広がっていた


それの意味するところはつまり


俺は引きこもりで異世界転移しちゃったらしいのである

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る