第8話

「食事を摂ったことは?」


「しょくじってなに?」


「…睡眠ってしってる?」


「動けなくなること?」


「動けなくなるってどういうこと?」


「一定の時間を過ぎたら身体が動かなくなるの。目も開けられないからそのままでいるしかなくて…。次に動けるようになるまで待つしかないの。」



こんな会話から先ほどの暗い日しかない会話に戻るのである。



「自分が闇人形だって自覚はあるんだよね?でもその自我はどうやって生まれたかはわかる?」


「わかんない。気づいたらあたしはあたしだった。」


「自分を作った創造主のことはどのくらい知ってるの?」


「なんにも知らないわ。でも近くにいたり、会えばわかると思う。」


「どうして?」


「支配から外れてしまったけど、あたしを作った力の持ち主よ?わかるに決まってる。」



根拠とかそんなんじゃないの。

会えばわかるって、本能的に思う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る