第13話 面白い人々について

人がいっぱいいるから、外出は楽しい。もちろん私の知らない人だらけで私のこと知っている人とすれ違うって事の方がお出かけではあまりない。  

そりゃたまたま、カフェで同僚にあったり、偶然懐かしい友人に駅で会ったりって事もあるけれど、多くのすれ違いにはすれ違いだらけだ。

    失礼だけれど、人を見ていると楽しい。

     人の話に聞き耳を立てたりもそうだ。

すれ違っていく人や、私の前へ追い越していく人達のファッションを見て(あれって、■■shopの〇〇〇〇円のやつね! そうねえ、やっぱり色は赤よりベージュの方がいいわ。)などど、勝手にご意見、ご感想。

暇な時間も退屈にならずに済む。


電車の中で私の前のつり革につかまり話をしている女性2人組に聞き耳を立てていると何やらTVの話をしていて運動シューズを履いている方が

「わたし、〇〇〇って嫌~い」と言った。

(ヤダ。  私もよ。)と私も思った。

そして隣の水色のスカートの方が

「そうそう、なんか汚くて、しつこいよね」と、

私が表現できなかったことを明確にズバリ!言い当てた。


私は(そうよそうよ!それなのよ!アンタってば、わかってるぅ!)と、

ほらあれよ、趣味が一緒だったり、好きなもの嫌いなものが一緒だと共感出来て

盛り上がって仲良くなりやすいじゃない? 私もこの子に共感して、席を立ち握手し

たいくらい親密な気持ちになった。 知らない人たちを見ているって楽しい。

 特に電車って、歩いているのと違って空間が一緒で、よーく観察できるからおもしろい。

   

  先日の体験談です。

平日に休みを取り、友達がOPENさせたカフェに行きました。

やっぱりね、忙しい休日にお邪魔してもおしゃべりも気がねするしね。

電車で30分の隣隣町。

カフェはとっても良くって、上機嫌。の大満足。

帰りの電車は午後4時頃でした。中途半端な時間のせいか空いていて、私も席に座り1つ目の駅でその人は入ってきました。

わたしのいる車両はバラバラと5.6人しかいなくて、彼女はきょろきょろと辺りを眼だけで確認すると、私の斜め前に座った。 シートは横長になっているので私の真向かいの席だから、視野にはどうしても入った。


  彼女の姿は、緑が黒になるような色の濃い色のワンピース。勾玉の形をしたイヤリング。そしてじゃらじゃらと音の聞こえてきそうな、勾玉がつながった長い首飾り。指には硬くて丈夫そうな翡翠をしていた。

     人間でいえば55-65歳くらいだろうか?

占い師のようだけれど、なんかもっと違う感じ。  そう、超能力者だとなぜか思った。 思い込んだ私は、もう止まらない。  私は彼女の方を見ないようにしながら、

交信することにした。

(「将来の夢について」をお読みの方にはご存じの通り、私も魔法使いの端くれ。不思議な力大好きっ子だもの。)


彼女は下を向いたまま。 私は横を向いて周りの乗客に気づかれないように、心の中

(もしもし、聞こえますか?こんにちわ。はじめまして。 ・・・やっぱり超能力者なんですか?)と伝える。   するとどうだろう?

私の交信に驚いたのか、彼女は突然周囲をキョロキョロしだした。  もしかして

、誰が交信したのか分からないのかも。 と私は感じて、続けて心の中より(ごめんなさい、私です。あなたの前に座っているベージュのセーターを着てる私よ。)と

思念を送ると、バッと目が合ってしまい、ドキリとして彼女も私も目をそらしてしまった。


そして、次の駅に丁度着いてしまい、彼女は降りてしまったので、それ以上は交信できず、偶然だったのか、彼女が超能力者だったのかは、解明されていない。


                      

                        電車って楽しい。



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