第20話 実はめちゃくちゃ強い
土曜日 曇り空。
夫がお昼前にパチンコに行ってしまった……。何か家にストレスでもあるのだろうか。それ以外は全くの無趣味だから、たまに行くぐらいは良いんだけれど。
やっぱり運ステータスが気になる。私の運も高いのか低いのかも分からないし、そもそも運をどうやって上げるのかが謎だ。
今日から息子が休みに入った。息子は自分の部屋の片付けをしている。もしかして彼女を連れて来てくれるのかも知れない。
「掃除手伝おうか?」
「いらねー。てか入ってくんな」
うーん、つれないねぇ。
今日のお昼は簡単に鶏飯。
下ごしらえをしていたからこそ簡単なのだけれど、その下ごしらえに手間はかかるから手抜きでもないのだ。蒸し鶏と、皮やサラダチキンを茹でた時のチキンスープをアイテムボックスにストックしてあるのでそれを使う。
以前はチャック付きポリ袋に入れて凍らせ使っていた。それだと余った時は捨てるしかなかったから、アイテムボックスがあって必要分だけ使えるのは本当に助かる。
フリマアプリは結構問い合わせが来ていたけれど、即決の人からどんどん手続きしていく。梱包して、月曜日に発送とスマホのカレンダーでアラームを設定。こうしないと私は毎日目の前の事に夢中で予定を忘れてしまうのだ。
というかクオリティに対して安いらしい。あとウィッグ売って欲しいというコメント。同じ人からデザインのリクエストも来ている。
「貴族学校の制服とそれからー和服?和服かあ。イメージしづらいなー。日本人形みたいになったら嫌だなあ。これは工夫が必要かも。」
貴族学校の制服はちょっと作ってみたい。デザイン案考えてみよう。
そして後でまた息子にちょっかいかけにいこう。先日子供服なんて作ったから昔を思い出して家族サービスしたいのだ。
「おー、捗ってるねぃ」
「うるっせ!向こう行ってろよ!」
夜は手抜きパスタ。前にストックしてあったミートソースをかけただけだ。夫が居ない子供と2人の時は世間でもこんなもんらしい。主婦はたまに手抜きをしないといけないとか。
手抜きをする為に作り置きを頑張るのだから、私もこれに関しては悪い事だとは思わない。いわゆる効率化というやつだ。私の好きな言葉だ。
…夫は多分凄く勝ってるんだろうな。お小遣い増えたのかな。すごくすごーく気になる。
私、気になります。
異世界は相変わらずの雨。
でも小雨なので、作り溜めてあるレンガで壁を作ろうと思う。屋根があっても雨の中屋外はなんだか落ち着かない。
「革のチェアにカビが生えたりしたら嫌だなあ。レンガしかない。通気性どうなのかな。
冬に向けて暖炉も作りたいけど、それ系は作り方を調べてないからまあ後でリメイクするとしてー」
ぶつくさ言いながら作業。
端の方に行く時は結界で泥水が跳ねない様に気をつけつつ、高いところや暗くて見えにくい部分は目に魔力を集めつつ何とか集中してレンガで囲み終えた。今は土間だけど床も欲しい。来る時はいつも裸足だから何とかしたい。
窓とドアは木製。上の方に光を入れる窓を作ったけれど小さすぎて意味は無かった様だ。
最初に持ってきたランタン一個じゃ窓を全部開けても結構暗い。見えない訳ではないけれど陰気でしみったれている。ここで過ごしたら病みそうだ。
集光ダクト?というやつを付けるか。鏡とかの作り方を調べないとだめかな。地球からもっと沢山LEDライトを持ってくるか…
「でもなーライト沢山買うと高いのよ。」
地球の生活を犠牲にしてまでここにあまりお金を使いたくないのが本音だ。とりあえずお金が貯まるまでは天井に光魔法を浮かべるか。
鏡って何でできてたかな。一応調べて錬金で作れるか試してみようか。
「不満だわー。チョー出来が悪い!ただ囲っただけじゃん。やっぱり家とか素人が作るもんじゃないわー。」
ステータスを開くと、建築と夜目のスキルが増えていた。その上心当たりのない闇魔法が増えている。
なんだかMPの伸びがすごくて、HP328に対してMPが1002もある。こうなると、素早さと運の無さが際立つ。二桁なのである。と言っても初めと比べて素早さは10倍弱、運は2倍弱になっている。これは常人から見れば化け物かも知れない。
名前 久我 唯芽 くが ゆめ
レベル16
HP 328
MP 1002
力 152
体力 164
素早さ 86
器用さ 389
魔力 501
運 34
常時発動スキル
スキル習得率アップ 気配察知 夜目
任意発動スキル
アイテムボックス
鑑定 浄化 遠見
解体 錬金術 調薬 木工 服飾 鍛治 料理
建築
身体強化 魔力感知 魔力操作 素材操作
土魔法 水魔法 火魔法 風魔法 氷魔法 無魔法
光魔法 闇魔法 治癒魔法 結界魔法 転移魔法
⭐︎⭐︎⭐︎
無趣味でもたまには出掛けたい事はありますよね。
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