これでアナタも人気者! 創作論をバズらせる、たった一つの冴えたやり方!

 どうも、熊ノ翁です!

 創作論、連日Twitter創作界隈じゃ賑わってますよね。

 やれ「登場人物は何名までにしろ」だの「テンプレは使うべきだ」だの「テンプレに頼るなんて甘え」だの。

 物語を書くのも読むのも好きな人たちの間では創作論は格好の話題のようで、Twitterを開くたびにあらゆる意見が飛び交っております。


 ただこの創作論。

 基をたどればギリシャ時代の詩学に行きつくガチめの学問だったりして、説得力のある理論を語るのは実績あるプロの作家や文芸学科の講師でもない限り、なかなか難しかったりします。


「ちくしょう! 俺だってSNSで創作論語ってインプレッション稼ぎたいのに、ガチなプロに出張られちゃ相手になんねーじゃんか!」

 そうお嘆きの限界物書きの方も多い事でしょう。

 確かにロクに作品の更新もせず、書いた話はエタらせてばかりで、しかも大して読まれることも無く、物書きとしての実績も実力も伴ってない。

 そんな我々限界物書きにマトモな創作論が語れるはずがありません。


 ですが、逆に考えてください。

 創作論を読ませるのに、マトモである必要がどこにあるのかと。

 世の中、専門書ばかりが読まれるわけではありません。

 インパクト優先、ヘイト全開、信憑性のまるでない井戸端会議の如きウワサ話がニュースや週刊誌で大人気な事を思い返して下さい。

 正確で、的を得た、物語を作るのに実戦的で役に立つ創作論ばかりが読まれるわけではありません。

 反ワクチンや人工地震、ディープステートといった根拠のない怪しげな陰謀論がTwitterで大人気なように、アナタの語る創作論だって十分に人気を得ることは可能なのです!


 今回は、何の知識も技術も実績も無い限界物書きのアナタでも出来る創作論のバズらせ方について語っていきますので、よろしくお願いします。

 野郎ども、火炎瓶は持ったな!?


 まず、何の知識も実績も無い限界物書きのアナタが創作論を語るうえで絶対にやってはならない事を言います。

 それは「マトモな意見を言う事」です。

 ぶっちゃけた話、ちゃんとした創作論を語るのでしたら実績あるプロ作家やプロ講師に適うわけがありません。

 我々限界物書きが創作論を語って上級創作民であるプロ作家達に打ち勝つには、理性と論理で立ち向かう事は絶対にしてはならないのです。


 では理性も論理も捨てて、何をもってプロ作家の創作論に立ち向かうのか。

 それは、お気持ちです!

 限界物書きのお気持ち全開な感情論こそが、プロ作家の創作論を打ち砕く唯一の方法なのです!


 目指すべきは専門書ではありません!

 週刊〇代です! スポーツ新聞です!

 正確さなんてクソ食らえ!

 読者の目を引ければそれでヨシ!


 へずまりゅうやゆたぼんからいいねを貰えるような、そんな創作論を我々は心がけるべきなのです!

 創作論は冒険や!


 で、具体的にどのように創作論を騙れば……おっと、語れば読んでもらえるかなのですが。


「根拠を気にしない」

「断定口調」

「否定形で語る」


 以上三点を踏まえて論じる事を心がけましょう!

 つい先日も「異世界転生して現代の知識や技術を使い無双するような物語は現実の否定につながるからダメだ!」といったライトノベル論が見事に火柱を上げて話題になっていましたが、あれは上記三点を満たした、正にお手本のような創作論です。

 

 SNSはいろんな人が活用をしていて、様々な人が創作論を語っています。

 実際に何十冊も本を出してるベテラン作家さんや、場合によっては100冊以上本を出してるラノベ界のイチローまで創作論を語ってるんです。


 そんな中で我々何の実績も無い鳴かず飛ばずの限界物書きが、普通に創作論を語った所で誰が読みますか!

 普通に考えて、マトモな創作論を読みたいと考える人たちは実績ある人の語る創作論を読みに行くに決まってるじゃないですか!


 あなたが「空手を教わりたい」と考えたとして、実際に空手やってて段位を持ってる人とグラップラー刃牙の読者と、どっちの意見を参考にしますか?

「いいか! まずは腕の関節が100個あるというイメージをしろ! そうすればお前の拳は音速を越えられるッッ!」というような、オツムが刃っ牙刃牙にキマった刃牙読者からの指導を受けたいと思いますか!?


 我々は本来創作論なんて人に語る立場では無いのです!

 それでも尚創作論を語り、あまつさえ読まれたいと思うなら、これはもう魂を売るより他ありません!


 心臓です!

 創作論に心臓を捧げるのです!


 その後炎上して、進撃の巨人の如く群がる反論正論ごもっともな指摘にあなたのアカウントや感想欄が食い殺される残酷な未来が待っていようとも、恐れてはなりません!


 最後に。

 進撃の巨人に出てくるメインキャラクター「アルミン」の語ったこのセリフをもって本エッセイの締めとさせてもらいます。


「何かを変えることが出来る人間がいるとすれば、その人はきっと大事な物を捨てることが出来る人だ」


 以上ッ!



これでアナタも人気者! 創作論をバズらせる、たった一つの冴えたやり方!

……END

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