第4話 エンドコンテンツ・試練の塔 第三層
「ここは、、、東京?」
第三層にきた
周りには高層ビルや赤い塔
活気のあるスクランブル交差点を歩く人々
辺りにははまるで東京を模したような街が広がっていた
『第三層、虚構都市。クリア条件は第一層と同じくこのフロア内の全生命を討伐してください。心配は入りません。ここにいるのは全て偽りの人間です。痛みも何も感じません。健闘を祈ります』
試練の内容が告げられた瞬間、僕は凍りついた
全生命の討伐
先ほどは何の躊躇もしなくてよかった
だけどこの層でいう全生命の討伐は、人間の見た目をしたものを殺すということだった
本当に、何で僕がこんな目に遭わなければいけないのだろうか
軽い気持ちで「神格付与」とやらを承認したのが悪かったのだろうか
神になるには、神に近づくには人如き簡単に殺せなければいけないって?
本当に、クソだ
アナウンスは「ここにいるのはすべて偽りの人間」と言っていた
つまり、この試練は僕の人間性を試すためのものなのだろうか
ただの試練
ただの虚構のはずの光景が、とても重く感じられる
当たり前だ。僕はこれまで人殺しとは全く縁のない生活をしていたんだ
ただ、僕は少し身に余る力をもって生まれ、うっかり世界樹なんてものを創造しただけの一般人なんだ
東京のような街並み
その中を行き交う人々
ただの「偽物」のはずなのに、どれもが「命あるもの」として今にも歩き出しそうだ
先ほどから【破壊】の力で「エンドコンテンツ 試練の塔」という概念自体を破壊しようとしているが、毎回何かに防がれる
つまり、僕はここでこの人たちの命を奪わなければここから出れない
けれど、僕の理性が叫ぶ。「人を殺すな」と
人を殺したら、僕は何か人ではないものに成り果ててしまう気がする
殺したくない。ずっと僕は人でいたい
もういっそ、ここで死ぬまで暮らしとしまおうかと
そう思った瞬間
『制限時間 12時間 試練を突破しなければ、貴方は消滅します。カウントダウンスタート』
そのアナウンスで、僕の希望はうち砕かれた
殺さなければ、死ぬ
もちろん僕は死にたくない
ここにいるのは、所詮偽物の人間だ
つまり殺しても何も恨まれない
早く、殺さないと、、、
そう、思い込ませおうとするが
「僕には、、、無理だ」
思わず呟いた
どこまで行っても僕は一般人なんだ
人でないものを殺せても、そう易々と人は殺せないに決まっている
このままではいけない。ずっと思考がループしている
とにかく、僕は気分転換としてカウントダウンギリギリまでこの街を探検することにした
近くの駄菓子屋に行く
あぁ、ここはまだうめぇ棒がまだ10円で売っているのか
「これ、ください」
僕は会計のおばちゃんにうまい棒を差し出した
「あいよ、またお越し」
そんな感じで、僕は東京の街を楽しんだ
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あれから11時間とだいぶ経った
もうすでに、時間制限は10分を切っている
「やっぱり、殺したくないなぁ」
ここまでこの街を楽しんだが、やはりこの人たちには命があるようにしか思えない
無意識に、涙が頬を流れる
しかし、現実は残酷だ
僕はこの人たちを殺さなければならない
「殺すって、、、どういうことだ?」
街中で偶然仲良くなった口宮くんが聞いてくる
「いや、君には何も関係ないよ」
制限時間が5分を切る
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
殺したくないと、その言葉が脳内を支配する
制限時間、残り1分
覚悟を、決めろ
僕は殺さなければならない。じゃないと僕が死ぬんだ
制限時間、残り10秒
「ありがとう、口宮くん」
「え?どしたん?」
制限時間、残り5秒
僕は、その手で口宮くんを【破壊】した
制限時間、残り1秒
痛みを感じないとしてもせめて、死ぬ時は安らかにと
僕は全生命の魂を、ロンギヌスの槍で貫いた
『全魂の輪廻帰還を確認。試練クリア。第4層へ転移します。しばしの平穏をお楽しみください』
その言葉を聞いた瞬間、僕は倒れるように眠りについた
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元の構想だとね、口宮くん出てこなかったのよ
でもこの話を書いてるときにこの口宮くんのモデルの人から「彼女できた」っていう報告が来てついうっかり恨みで乱入させちゃった
この後も口宮くんには登場してもらう予定だから楽しみにしててね
あと口宮くんのモデルよ、僕はお前を許さないぞ
ハート評価、コメント、星評価、レビューをお願いします!!
してくれたら僕がめっちゃ喜びます
ついでにコメントで技名とかの希望とかを言ってくれたら物語に入れるかもです
今回は心情書くのちょっと頑張りました!!
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