Rp:10 かかりつけ薬剤師になろう その2

「えーっと最安だと45点から76点なので、その差は31点で、310円ですか?」

「そうですね。そこに医療保険のことを考えると3割負担の方だと100円くらいですね。

「100円くらいか。うちの患者さんだとジジババが多いからもう少し安くなるね。でも元々3000円支払っている人の負担額が100円増えるのと600円が700円になるのって、なんか嫌がられそうよね。」

「確かにそうですね。そのへんは信頼関係もあると思うので人は選ばないといけないですね。

なんで、まずは支払いがない人でかかりつけの同意をもらう練習をしてみるのはどうでしょう。生保やこども医療、自立支援を持っている人がたまに来ていたと思うんですが。」


生活保護、子ども医療などの公費を持っていれば自己負担が0円で医療を受けられる。

生活保護は別として、自立支援、重度心身障害などの公費を持っている人は「かかりつけ」を作るハードルが低い上に「健康コンシェルジュ」としての役割を存分に発揮出来る機会かもしれない。


「そうね。同意を取るってサインを書いてもらうんでしょ?そういうのしたことないからちょっと不安だけど、まあやってみるわ。」

「負担金がかからない人でも『なんかよくわからないからやらない』っていう人もいると思うので、患者さんにとってのメリットを如何に示せるかですね。」

「仲いい患者さんでかかりつけ取れそうな人は何人かいるんだけど、だいたい自己負担ある人なんだよね。まあ慣れてからだろうけど、そういう人に対して説明ってしたことある?」

「自己負担のある人に関しては自己負担増を上回るメリットをどれだけ示せるかですね。」


患者さんも様々で、自分の体に関して出された薬を飲むだけの人、食事や運動、サプリメントも取り入れて健康に気を使う人もいる。

急に頭が痛くなって薬をドラッグストアに来たけど、今の自分にあっている薬を教えて欲しいと薬局に電話をかけてくる方もいる。

(その場合、ドラッグストアの店員に聞くことも出来るのだが)

自己負担がかかる方でも後者の人だと『自己負担が上がる代わりに今まで以上に薬剤師を頼ってください』と言えば同意を得られる可能性は飛躍的に上がる。

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