第6話

そこにひとりの少年が、未だ未練がましく魂ひとつで取り残されていたのです。



『あんた、俺が見えんの?』


「当然ですわ〜。これでも魔女狩りという歴史から逃れた魔女の端くれですので〜。」


『は…?』


「それより、これは何があった現場ですの〜?みなさん死んでおられるようですが?」



小首を傾げながら、その子の両親だろう死体を覗き込めば…



『母さんが…、したんだ。』


「はい?」


『夕飯に何を入れたのか…。気がつけば死んでた。』



ボソボソと、淡く光る魂があたしの隣で項垂れる様には「ほえ〜」と呟いていました。

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