第8話

「あんな男のどこがいいわけ?!世の中見た目だけよけりゃなんでもありっすか?!」


「アキも同じでしょう?あなたたちはメディアにとって生きた商品なんだから。イメージを壊せばそれでおしまい。イメージが受ける期間が長ければ長いほどお金になるってだけ。」



現実主義さすがっすね!と言いたくなるほどの正論には反論も無くなってしまう。



「取り敢えず、次の仕事もあるんだからさっさと着替えて。」



その言葉とともに出て行くミズキさんの小柄な背を見送りつつ、あたしは机の上のものを全部床に落として八つ当たりしていた。



あの見た目だけ爽やかなド変態男がどうしても好きになれないッ。



ていうか好きになれる要素がひとつもない。

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