#15「憧れと再会」A
ここは分部研究室。分部拳也は机に頬杖をついて真剣な表情を浮かべて考え事をしていた。
(何なんだ?前に一瞬だけ姿が見えたあのカテラスは?普通のカテラスとは違った雰囲気を感じたけど...)
その様子を見ていた母親の彩絵花が話しかける。
「どうしたのよ拳也?机に座ってそんなに怖い顔して?」
「母さん。僕が前の戦いで、茶色いカテラスを見たって言ったよね?あれが何者かを考えてたんだ。」
「そうだったの。でもそんなに考えるって事はそんなに気になる存在なのかしら?」
「普通のカテラスとはどこか違うような感じだから気になっちゃってて...」
「気にするぐらいなら、吹っ飛ばせばいいのよ!カテラスは殆どが元人間、それも悪人の類いだからね。倒してしまえばなんの問題もないわ!」
彩絵花の言葉を聞いてそれでいいのか...と唖然としてしまう。それよりも買い物に行ってきて、と彩絵花に頼まれた拳也はアリツフォンからアリツバイクを出現させて、買い物に出かける事にした。
拳也は蔵馬姉妹とは知り合いで、特に路宇都には色々と世話になっていた。
路宇都は愛剥路とは違い、芯がしっかりとしてハッキリとした性格であり、たまに彩絵花の発明の手伝いをする事もあった。
路宇都のバイクに乗って、色々な所に連れて行ってもらっていた。風を突っ切る爽快感が印象に残り、自分もいつかそれを一人で味わいたいと思い、すぐにバイクの免許を取りにいった。
免許を取り、今こうやって実現させてバイクが運転出来るようになり、それを教えてくれた路宇都を自分のバイクに乗せたかったが、亡くなってしまったため、実現出来なくなってしまった。
ちなみに拳也は路宇都がヘルメットになっている事は知らない。そして車の免許は取っていない。
拳也は能野町の買い物にお馴染みのNOUYA MARKETにやって来て買い物をした。
食材や日用品やお菓子等を様々な生活必需品を買った。ご飯も二人で交代しながら料理をしたり、買い物も交代で行ったり等親子仲はかなりいいものだ。
一通り買い物を終えた拳也は帰宅しようと研究所に向かっていたのだが、ここでアリツフォンから警告音が鳴り、現場に急行した。
現場は能野公園。全身石に覆われた人型のカテラスが、岩石を飛ばして人々を襲っていた。その中には見覚えのあるメイド達の姿が...
「あれは、桃江さんと育鈴さんだ!」
大急ぎで二人に駆け寄り、背中で庇った。
「怪我はありませんか?」
「もしかして、拳也ちゃんですか?」
「そ、そうです。ここは危ないので逃げてください」
「ですが、背中が」
「早く!」
「わ、分かったわ、行きましょう。育鈴さん。」
「は、はい〜。」
二人は逃げて行き、拳也はカテラスにの方に姿を向ける。
「本当に容赦がないな。カテラスというのは。」
「ここは今、ルオマー様が探し物の最中だ!近づく奴は、このストーンカテラス様が殺すぜ!」
殺すぜなんて言葉を平気で言う奴には容赦なんてないかと思い、武着装する事にした。
アリツフォンにアリツチップを挿し込む。
[Martial Arts In]
電子音声の後に待機音が鳴る。
「武着装!」
掛け声を言って、CERTIFICATIONの文字をタップした。
[CERTIFICATION. In Charge of Martial Arts.]
再び電子音声が聞こえた瞬間、拳也の周りに光が纏ってアリツシャーマに武着装した。
「お前が超戦士か?ならなおさら生かしておくわけにはいかねぇな!」
ストーンカテラスはシャーマに向かって両手から岩石を飛ばして攻撃した。
「こんな物、ぶっこわ...痛て!」
シャーマはさっきの庇った背中の痛みで動きが止まってしまい、岩石が当たって、逆に吹っ飛ばされて地面に突っ伏してしまう。
「さっきの奴をまともに喰らって動けねぇみてぇだな!次は顔に当ててやる!」
岩が飛ばされ、顔が俯いてしまったシャーマ。そこに何者かがその岩を斬った。
「ごめん、遅れちゃった。」
「よ、由人さん。」
「今度は赤い奴か...」
アリツガンを取り出し、ウエッパーはストーンかテラスに向かって銃撃する。
「ぐはぁ!ルオマー様の探し物が終わったみてぇだし、俺様はここでトンズラさせてもらうぜ!」
ストーンカテラスは四方八方に岩石を飛ばし、その隙に逃げていった。
「逃げられた...拳也くん大丈夫か!?」
拳也は武着装が解けて気を失っていた。背中は怪我をして出血していた。
「やばいな...一旦屋敷に運ぶか!」
由人は育鈴の車に乗せて、拳也を屋敷に連れていく事にした。
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