#12「超戦士集結!」B
開発室に入る小屋の前に着いた。僕達はバイクから降りて、三人はバイクを引っ込めた。
「あれ?愛剥路ヘルメット取らないの?」
「この状態で行こうかと思ってね。堂々としている方がいいからね。」
ヘルメットを被ったまま初対面は印象よくないような気がするけどなぁ...初対面だったっけ?
「それで?どこに開発室があるんだよ?」
「そこのボロ小屋だよ。あそこに地下に繋がる階段があって、そこに研究室があるんだ。」
「すげー!秘密基地みたいだな!早速入ろうぜ!」
雷男が何だかすごくはしゃいでいるいるので、僕は開発室に案内した。相も変わらず発明品が溢れかえっている。何だか前より増えているようないないような?
「博士。この二人が新しい超戦士です。」
「お久しぶりです!お母様!地盤雷男っス!」
「あら、あなたこの前の野球少年じゃない。」
「いや、坊主頭なだけですから!」
「あら?もう一人は愛剥路ちゃんだったのね。」
「あれ?知り合いだったんだ。」
「とりあえずメットは取ってくれない?」
愛剥路はヘルメットを外すと、博士は話を始めた。
「私がこのアリツフォンの制作した分部彩絵花よ。あなた達もう武着装はした事ある?」
「わ、私はこの前しました…。」
「俺は今日渡されたのでした事ねぇです。」
「そうなのね。でも今はカテラスが現れてないから武着装の必要はないし...そうだ!あの装備を出してみて!」
博士は雷男の持っている灰色のアリツフォンを横から覗き込み、アリツフォンで何かを出現させるように指示した。
雷男は画面に表示されている「アリツサポートメカ(昆虫)」の文字をタップした。するとなにやら昆虫型のメカが三匹出現した。
それぞれ昆虫の頭にあたる部分が剣、銃、盾になっていた。
「すげぇ!なんかヘラクレスオオカブトみてぇだ!」
「空も飛べるから空中からも攻撃できるね。」
「盾の子は正面から見て盾の形になっているんですね。上から見たらまるで頭が無くなってみたいに見えるね。」
「そ、それにしてもこの子達すごく大きいですね...両手サイズくらいありますね...」
と、それぞれの感想を言い合った。しかし本当に戦力になるのかと雷男は博士に問い詰めた。すると博士は全員に外に出るように言った。
小屋の外に出たら、博士は拳也君に武着装するように指示した。
拳也君は渋々承諾するようにシャーマに武着装した。
昆虫メカ達は空に羽ばたいてシャーマの近くにまで移動してその中の銃型が発泡してきた。連射をして、腕を交差して防ぐシャーマ。
その隙に剣型がシャーマに突撃してきて命中する。シャーマは僕にアリツガンを貸すように要求して、僕はアリツガンを出してシャーマに投げた。
シャーマはメカに向かって発泡した。すると盾型が前に出て二体からその弾を防いだ。
そして再び銃型が連射を始める。シャーマはアリツシールドを出してその攻撃を防ぐ。
「はい!そこまで!...これで分かった?」
「おう!いやー!頼もしい奴らだなー!」
「ちなみにこれは共有装備だから、みんなも使えるわよ。」
するとアリツフォンから警告音が鳴った。
「よし雷男。とうとう武着装をする時が来たみたいだな。」
「よっしゃ!行くぞ!」
「愛剥路また相乗り頼むぞ!」
「はい!」
僕達は現場に向かった。
現場は公園だ。そこには蝉型の怪人が木に止まっていて、大音量の鳴き声を響かせて人々を苦しめていた。
「耳がおかしくなるー!」
「鼓膜が破れる〜!」
今回は雷男一人で戦うようにする事にして、僕達は一旦その場から離れる。人気のいない物陰に移動して雷男に武着装のやり方を教えた。
雷男は「Chip(Mechanical)」と書かれたチップをアリツフォンに挿し込む。
[Mechanical In]
電子音声の後に待機音が鳴る。
「武着装!」
掛け声を言って、雷男はCERTIFICATIONの文字をタップした。
[CERTIFICATION. In Charge of Mechanical.]
再び電子音声が聞こえた瞬間、雷男の周りに光が纏って、雷男は武着装を完了させた。
「これでいいのか!由人!」
姿はアリツフォンと灰色で額に工具ドライバーとレンチが交差したマークが入っている。それ以外は概ねアリツウエッパーやシャーマと同じだった。
雷男が名前を尋ねたので、僕はアリツメカニッカーと名付けてカテラスの元に行くよう指示して、雷男ことアリツメカニッカーはカテラスの前に姿を表した。
ちなみに人々は防子がアリツイヤーガード...耳栓をはめさせて遠くに避難させた。
「おい!そこのセミ!てめぇ何者だ!」
「お前こそ何だ!」
「俺はアリツメカニッカーと言うらしいぜ?ほら名乗ったぞ!お前も名乗れ!」
「俺はセミカテラスだ!」
「そのまんまじゃねぇか!デケェ鳴き声で人を苦しめやがって!」
「アホか!俺はこの美声で魅了してんだよ!」
遠くから話を聞いているとまた勘違い野郎か。色んなカテラスがいるけどタイプが被ることって...あるか。
「行け!チビセミ!」
セミカテラスは小さいセミを二体出して自身と一緒にメカニッカーに襲いかかった。
手の部分で引っ掻いたり、チビセミも同様に引っ掻き攻撃をして、さらには尿を放出させていた。
「汚ねぇな!だったらこっちだって!」
アリツフォンを取り出して、画面をタップした。
「何だ?何もないじゃないか!」
その瞬間、発砲音が響きサポセミは撃ち落とされた。
「何だ!?チビセミが!?」
「上を見ろ」
そこには三体の昆虫メカの姿があった。
「あの銃の奴が撃ち落としたのか!」
メカニッカーはアリツソードを取り出してセミカテラスを連続で斬っていき、剣型が突撃して頭の剣で突いた。
「ぐはぁ!まだ俺は魅了するんだ!」
「どこまでも勘違いしてやがるぜ。とどめだ!」
アリツフォンに表示されている「アリツサポートメカ(昆虫)」の下にそれぞれSword、Gun、Shieldが表示されていて、Sword、Gunをタップして選択されている状態で「Break Chip(Mechanical)」と書かれたチップをアリツフォンに挿し込む。
[Break Standby]
待機音がなり、Breakと表示された文字をタップした。
[Mechanical Break]
アリツサポートメカ(Insect)の剣型と銃型のメカニカルブレイクを発動した。
剣型の剣は光輝き、銃型がチャージを始める。
銃型は発砲してセミカテラスを体に命中して貫通させ、剣型は真っ向に斬った。
セミカテラスは爆発した後に人間に戻り、その場に倒れた。いつもの対応を取った。すると博士が渡す物があると通信が入り、僕達は開発室に戻った。
「博士、渡したい物って?」
「いやー君達にこれを渡すのを忘れてたよ。」
渡されたのはもう一つのアリツチップだった。
アリツバイクに挿し込むのに必要なので、すでに二つあったビークラーとメカニッカーは除いて、ウエッパーとシーリアである僕と防子に渡された。拳也君にはすでに渡されている。
「もう一つあるんだけど、これは全員ね。」
もう一つはアリツブレイクチップだった。これで二つの物でブレイクが発動出来るようになった。
「雷男君、これからもよろしくお願いするわね!」
「おう!任せといてください!」
雷男も武着装出来るようになって、これだけ人数がいれば大丈夫だろう。
僕はとりあえずバイクを運転出来るようにしないといけないかな...
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