狂愛

アーミリィ

平成東京少女

平成生まれ、東京育ち、ヤンキーもギャルもダサいと言われはじめた頃。


メディアは相変わらずヤンキーとかギャルが好き。


だって、おじさん達が作ってるんだもん。


おじさん達は若くて扱いやすい子が好きでしょ?



東京の繁華街で歩くあずさ。


カリスマも下火の時代にショップ店員をしている。


高校卒業後、特にやりたいこともなくアルバイトでショップ店員になった。


若い子に接客するのは好き。


たまに来る本社の偉い人はおじさんかおばさん



なんだ、私の売っているものもおじさんとおばさんの選んだものか



そんなことを考えながらボーッと歩いていると若い男が近づいてきた


ニコニコしながらポケットティッシュをしつこく渡してきた


受け取った後で鼻をかむためにティッシュを使おうとすると、広告が邪魔をしてティッシュが出てこない


広告を無理やり出すと派手な文字で


【高収入 ガールズバー 簡単バイト】


という文言が目に入る



一瞬、彼氏の顔を思い浮かべた



ヒロト怒るよね。



と呟きながらケータイで電話をかけた



「はい!お電話ありがとうございます!面接希望ですか?」


あずさはガールズバーの広告の番号にかけた


その日のうちに面接をすることになった。



お金がない訳じゃない。

彼氏だっている。

家族にも不満はない。



だけど、毎日が退屈で抜け出してみたかった。



指定された場所で待っているとスーツを着た男が来た。


愛想良くシステムを説明した後、ガールズバーは大変だから別の楽で稼げる仕事しない?

と言い出した。


あずさは、そういうことか。

と妙に納得した。



風俗に自分から働きたいと出向く女はイカれてると思っていたけど、こんな風に大人の男に上手く言いくるめられて入る女もいるのか。


そんな他人事のような感覚で、風俗嬢デビューしていた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る