Dear Princess

海星

第1話 出逢い

─────────10年前。


遊塚ゆうづか 結月ゆづきといいます。宜しくお願いします。」

「はい。宜しくお願いします。」


ここから僕らは始まった。



──────────────────。


前オーナーから受け継いだ雑貨店を一人で

営んでいた。


昔からいるパートさんが一人。

前オーナーからの社員が一人。


そろそろ学生も雇ってみようかなと考え応募をかけた。すると、結月が来た。


最初は僕も固く、一ヶ月くらいは固く居た。

でも、結月が男性社員とフランクに話しているのを見かけては嫉妬していた。


すると、それに気付いた結月がある日、事務所の机の隣に座って話かけて来た。


「店長、ちょっといいですか?」

「なんですか?」


結月は了承を得ると事務所の扉を閉めて、

近づいてきたかと思うと僕の真ん前に来て、


「端からいちいち見てないで話したいように話したらどうなんですか?」

「あぁ?」

「そんなにガチガチにあたしに接してなんかメリットありますか?もしくはあたしが嫌いですか?」


あまりにポイントを突かれて腹が立ったのも合って、僕は立ち上がって結月にキスした。



「これ以上言わせんな。」


それだけ言うことで精一杯だった。


結月はというと、驚く事も、怯えることも無く、

僕の肩に腕を回していた。


「わかりました。」


そう言って結月からもキスしてきた。




だからといって付き合うと明確に話した訳でもない。

でも、働き始めた当初から仕事終わりには車で家まで送っていて、その車内や、事務所で二人だけの時は、いつのまにか「涼ちゃん」と呼ぶようになっていた。






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