本編。物語が始まりました。悟りのシーンだけでいい人はエピローグまで飛ばしてね。

SEASON1 SPRiNG 01 行動

 佐藤由里子さとうゆりこ鈴木孝美すずきたかみ。この2人は幼馴染だった。ある春の日、百合子は公園のベンチに座って考え事をしていた。彼女は町で有名な公立大学エス校に入学が決まったのだ。

 孝美も、「入学が決まったよ」といっていた。だから、今日は2人でお祝いをする約束だった。

 由里子は時計を見た。約束の時間を数分まわっていた。「孝美、遅いな……」孝美、いつもなら、こういう遅刻はしないはずなのに。

 誰かの誕生日パーティに出席していた? それならば、電話が一通、あってもいいはずだ。いやいや、あの孝美に限って、約束を忘れるはずないわ。それも、この私との待ち合わせ……。

 しかし、だんだん不安になってきた。由里子は小さな公園を出た。「孝美、孝美ー!」そういって、孝美を探し始めた。


「孝美、いない……」途端に恐怖が込み上げてきた。十時二十五分。およそ一時間、由里子は孝美を探し回ったが、孝美が見つかることはなかった。

 由里子はベンチに座り、ズボンのポケットからスマホを取り出した。もう何日もやっていないゲームを始めた。すぐ、ゲームオーバーになった。

 由里子は公園を出た。最後に、図書館へ向かった。

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