出会い! それは運命か偶然か?

崔 梨遙(再)

1話完結:1000字

 20代の終わり、2度目の結婚をする前、僕は恋人と別れたショックで猛烈に女性を求めた時期があった。ナンパもするのだが、その頃は確実に会えるテレクラを利用した。テレクラは、ナンパと違って顔がわからないまま会う。当然、ハズレも多い。だが、時々、当たりがある。当たりがあるからやめられない。ギャンブルに似ているのかもしれない。出会い系サイトが出て来て、テレクラは廃れつつあったけれど。



 その日、僕は当たりを引いた。相手は多分30代であろう美人だった。スゴイ美人だった。身長は156と言っていた。スタイルも良い。服のセンスも良い。そして上品な雰囲気。素敵な女性だった。その頃、僕は恋人と別れたショックで女性と付き合うつもりは無かった。ただ、身体を求めていただけだった。女性の身体に溺れて、ツライ事を忘れることだけを求めていた。


 その美人は名を名乗らなかった。ホテルに行って、互いの身体を貪り合った。


 僕はその美人が気に入ったので、また会いたかった。連絡先を聞こうとしたが、連絡先は教えてくれなかった。


「私、遊びで同じ男と2回は寝ないのよ」


 カッコイイ! 僕は謎の美人と別れた。



 後日、またテレクラに行った。またアポが取れた。待ち合わせ場所に行ったら、そこには先日の謎の美女がいた。


「また、あんたか-!」

「また、あなたなの-!」

「どうする? ここまできたらホテルに行くよね?」

「……うん、行く」



 連絡先を聞いたが、また教えてくれなかった。


「私、遊びでは連絡先を教えないの、ごめんね」



 また後日、テレクラでアポを取り、待ち合わせに行ったらまたあの謎の美女。


「「またかー!」」



 ホテルで、連絡先を聞いた。


「私、連絡先は教えないの」

「もう3回も会ってるやんかー! そろそろ教えてや」

「……わかった、教えるわ」

「こんなに会えるって、偶然を通り越して運命やで」

「そうかもね」



 それからしばらく、謎の美女(名前は最後まで教えてくれなかった)に時間のある時は、会えることになった。



「私、遊びで同じ相手と2回は寝ないのよ!」



 言われた時は、カッコイイと思った女性だったが、勿論、カッコイイとは思わなくなっていた。頻繁に会えるのは嬉しいが、カッコイイままでいてほしかった。残念。







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