*周Side*

ある日の光景①♪

第80話


周Side



** ある日の光景その① **




これは俺とヒロの日常を綴った愛♪のダイアリーだ。



アメリカで嫌がるヒロと無理やり結婚式を挙げ、それから一ヶ月。



まさにラブラブ新婚夫婦だって言うのに…






―――俺の妻(?)は大概不機嫌だ。






朝6時半―――俺は二人分の朝食を作り、コーヒーを淹れる。



そして時間を確認すると、ヒロが眠る寝室を覗きに行く。



俺の愛しい人―――橘 ヒロ(♂)は



可愛いくて無防備な寝顔でおねんね中だった。




「ヒロ。朝だぜ?起きろよ」



耳元でそっと囁くと、ヒロは僅かに身じろぎして、それでも布団をちょっと引き上げる。



起きる気ないな…こいつ……



ヒロは朝が弱い。目覚ましはセットしてあるものの、鳴りだしてから30分は起きだして来ない。



「ヒ~ロ」俺はヒロの隣にもぐりこむと、向こう側を向いているヒロを背中を後ろから抱きしめた。



「…ん~…」と小さく唸り声を上げて、うっすらと目を開けるものの、



「もうちょっと…」と幸せそうに口元を緩めるヒロ。



んーーー……いつ見ても欲情をそそる色っぽい…いや、可愛い寝顔だ。



ふむ。



少し考えて、俺はヒロの寝巻き代わりにしているTシャツの中に手を突っ込み、こいつの肌を直に触れた。



さらりとさわり心地が良くて、細いのに引き締まっている。



さわさわさわ……



あちこちをまさぐっていると、



ガバッ!



ヒロは勢い良く身を起こした。






「―――周!朝っぱらから変なとこ触るな―――!」







やっと起きた。



でも―――ほら、不機嫌。



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